エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.973
2021.03.10 更新
文:藤田 忠/撮影:松枝 清顕
最後はリアルタイムレイトレーシングに対応する重量級ゲームタイトル「Watch Dogs:Legion」を使っていこう。ゲーム内蔵ベンチマークを利用し、解像度はここまでと同じく、3種類に設定。描画品質は”最大”と、レイトレーシングを有効、品質を”最大”に設定した状態で計測を行っている。
まずは、描画品質”最大”の結果を見ると、4Kでは60fpsを切ってしまうが、4Kの次に高精細な2K環境では、最小1%(パーセンタイル点)でも60fpsを超える高パフォーマンスを発揮している。
GPU負荷が非常に高いレイトレーシングを”最大”品質、DLSSをバランスに設定した状態でも傾向は同じで、フルHD、2K環境なら最小1%(パーセンタイル点)でも、60fpsを軽く超えている。レイトレーシングのリアルな効果を楽しみながら、快適なプレイを実現できる。
各種パフォーマンスチェックが一段落したところで、「Aegis Ti5 10TE-018JP」の冷却性能や動作音、システム全体の消費電力をチェックしておきたい。CPU温度は「CINEBENCH R23」(マルチコア)実行時の最大値で、GPU温度は「Time Spy Extreme Stress Test」を実行した際の最大値としている。
CPU温度は240mmサイズラジエターを備えるオールインワン水冷ユニットを搭載しているだけあって、75℃と余裕のある温度に抑え込んでいる。GPU温度は3連ファン搭載のMSIオリジナルVGAクーラーを採用するものの、TDPが320Wと大きいGeForce RTX 3080のため、最大で83℃まで上昇している。とは言え、ゲーミングパフォーマンステスト+数時間に及ぶ、趣味のゲーミングを通して動作が不安定になることはなかったので安心して良い。
続いて、システム全体の消費電力を見ていこう。
さすがにCPUとGPUに高負荷をかける「Time Spy Extreme Stress Test」実行時の最大消費電力は500Wに達している。とは言え、「Aegis Ti5 10TE-018JP」は、容量750Wの電源ユニットを搭載。出力に余裕はあるため、メモリやストレージの増設に不安はない。
最後は「Aegis Ti5 10TE-018JP」の動作音を見ていこう。測定は机の下に置いた際に頭があるだろう、筐体トップから約60cmの位置と、机上設置を想定してフロント中央部から20cm離れた位置に騒音計を置いて行っている。
暗騒音の値は31.5dBAで、アイドル時はフロント35.8dBA、トップ32.5dBAと非常に静か。CPUクロックが4.5GHz~5GHzで動作する「CINEBENCH R23」実行中もフロント側こそ40dBA近くだったが耳障りな高周波音はなく、十分静かと言えるレベルだ。「User Scenario」には、静音性を高める「Silent」モードもあるので、音が気になる場合はそちらを選択してもいいだろう。
ただ、グラフィックスカードに常に高負荷が掛かる「Time Spy Extreme Stress Test」実行中はフロント側で50.7dBA、トップ側で44.7dBAとなかなかの爆音になっている。高消費電力、高パフォーマンスなGeForce RTX 3080搭載ではやむを得ないところだろう。
男子なら心惹かれること間違いない超サイバーなデザインと、クリック&ダイヤルの直感的な操作ができる「ゲーミングノブ」だけでも十分に心惹かれる「Aegis Ti5 10TE-018JP」。そのうえ10コア/20スレッドのCore i9 CPUとGeForce RTX 3080による、ゲームもクリエイティブもそつなくこなせるハイパフォーマンスは、かなり魅力的だ。
MSI公式オンラインショップにて403,800円で購入できる「Aegis Ti5 10TE-018JP」 |
直販価格は403,800円と確かに高価だ。しかし枯渇状態のGeForce RTX3080搭載のハイスペックマシンを、ワンクリックで購入できるチャンスなのは間違いない。さらに今なら、MSIゲーミングチェアまでオマケで付いてくるという、太っ腹な構成。この春からの新生活に合わせて、ハイスペックなゲーミングPCの購入を考えていたならば、ぜひ選択肢の一つに加えたい1台だ。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社