エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.974
2021.03.12 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
続いてAVX2拡張命令をサポートする動画エンコードベンチマーク「HWBOT x265 Benchmark」のスコアを確認していこう。
処理の軽い1080pでは約10%、処理の重い4Kでもその差は約40%で、「CINEBENCH」系のベンチマークに比べるとだいぶ差が小さくなっている。そこでCPUの負荷を確認したところ、1080pでは最高で55%前後、4Kでも最高95%で全てのコアを有効に活用できていないことがわかった。多くのコアを搭載しているHEDT CPUを使う場合、ソフトウェアやエンコーダの最適化も重要になることは覚えておく必要がある。
1080p(左)と4K(右)テスト時の「タスク マネージャー」。4Kのほうが負荷は上がっているものの、100%まで負荷が上がっているコアはなく、すべての性能を使い切ることはできていない |
ChaosGroupが提供しているレンダリング系ベンチマーク「V-Ray Next Benchmark」のスコアを確認しておこう。
Ryzen 9 5950Xの29,739ksamplesに対して、Ryzen Threadripper PRO 3975WXは43,997ksamplesでその差は約48%。テスト実行中に負荷が瞬間的に下がることがあるため、「CINEBENCH」系ほどではないが、「HWBOT x265 Benchmark v2.2.0」よりは確実にスコアの差が広がっている。
統合型3DCGレンダリングソフトウェア「Blender」のベンチマーク結果も確認しておこう。なおテストデータには最もサイズの大きい「victor」を使用している。
Ryzen 9 5950Xでは431秒かかるのに対して、Ryzen Threadripper PRO 3975WXでは277秒で処理が完了。3割以上も処理時間を短縮できる計算で、Ryzen Threadripper PROシリーズがターゲットにしている大規模レンダリングでは、作業効率を大幅に高めることができる。