エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.975
2021.03.17 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
最後にリファレンスクーラーの冷却性能をチェックしていこう。消費電力の計測と同じく、ストレステストは「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」で、温度やファンの回転数の測定には「GPU-Z 2.38.0」を使用している。
上位モデルの3連ファンから2連ファンへと簡略化されているRadeon RX 6700 XTのリファレンスクーラー。ただし、高負荷時のGPU温度は最高でも75℃で頭打ち。ファンの回転数は1,600rpm前後、回転率は約70%前後までしか上がらず、冷却性能にはまだ余力が残されている。ちなみに動作音は、バラックでの検証のため、やや風切音が気になるものの、PCケースに入れてしまえば十分に抑え込むことができるレベルだ。
「RDNA 2」アーキテクチャの最新コア「Navi 22」を採用するアッパーミドルGPU「Radeon RX 6700 XT」。ハイエンド向け「Navi 21」と比べるとGPUの規模は6割程度。さらにメモリ帯域も192bitに削減されており、4K解像度やレイトレーシング機能については正直やや厳しいと言わざるを得ない。
一方、WQHD以下の解像度では、現行最高峰の高クロック動作や「Infinity Cache」の効果もあり、謳い文句通りのパフォーマンスを発揮。特にフルHD解像度では上位モデルであるRadeon RX 6800との差がグッと縮まることから、フレームレートを重視するeSports系のゲームとはとても相性がいい。
また上位モデルに比べると消費電力は控えめ。さらにリファレンスモデルの2連ファンクーラーは2スロット厚で、カード長も268mmと比較的扱い易いサイズに収められている。
ただし最大の懸念材料になるのが入手性。噂に聞くと初回流通分はそれほど多くないとされており、他のグラフィックスカードと同様に当面の間は品薄傾向が続きそう。購入を検討しているなら早めに動く必要がありそうだ。
協力:日本AMD株式会社