エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.976
2021.03.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
外観に続き内部構造を観察し、だいぶ「WATTTERA 1000W」への理解を深めることができた。ここからは、実際にシステムを構築して各種ストレステストやベンチマークテストを実行、高負荷環境における挙動をチェックしていく。なお検証環境のCPUには、12コア/24スレッドのRyzen 9 5900X(3.70GHz/最大4.80GHz/キャッシュ6+64MB/TDP105W)、グラフィックスカードにはGeForce RTX 3080搭載のオーバークロックモデル「GeForce RTX 3080 GAMING X TRIO 10G」を用意。現行トップクラスのウルトラハイエンド環境を構築した。
12コア/24スレッドかつTDP105WのハイエンドCPU Ryzen 9 5900Xを搭載。メモリはDDR4-3200MHz動作の32GBが認識されている |
新設計の3連ファンクーラー「TRI FROZR2」を装備した「GeForce RTX 3080 GAMING X TRIO 10G」。最大消費電力は340W、推奨電源容量は750Wとされる |
GPU-Zにてフルロード時の挙動をチェック。ブーストクロックは公称で1,815MHzだが、実際には高冷却仕様により最大1,965MHzまでクロックが上昇していた |
いよいよここからテストセッションを進めていく。検証では電圧変動を視覚的に把握できる「AIDA64 Extreme Edition」を使用しているが、まず最初にその中に搭載されたストレステストの「AIDA64 Extreme Edition:System Stability Test」を実行する。すべてのチェックボックスを埋めて最大限の負荷がかかるように設定、30分間連続で動作させた際の挙動を見ていこう。
電源ユニットにとって最も変換効率が高くなるのは、容量の半分程度の負荷がかかっている場合とされている。「WATTTERA 1000W」にとっては500W程度が理想的な負荷と言えるわけだが、ワットチェッカーで確認したところ「AIDA64」実行時は最大542W。ほぼ理想的な負荷がかかっていた。
まずは電圧変動のグラフを見てみると、ほとんどブレのないフラットな波形。主要パーツの動作に用いられる12Vをはじめ、やや最小値で定格を割り込んでいるものの、全体の変動幅は1%程度に留まっている。強力な負荷が連続してかかるシチュエーションでも動揺が見られない点はさすがだ。