エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.978
2021.03.30 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
Core i9-11900K 市場想定売価539.00ドル(2021年3月30日発売) 製品情報(Intel) |
2015年に登場した「Skylake」以来、デスクトップ向けCPUとしては実に6年ぶりに刷新された新アーキテクチャ「Cypress Cove」を採用する「第11世代Intel Coreプロセッサ」。ベースとなるのはIce Lakeことモバイル向け「第10世代Intel Coreプロセッサ」の「Sunny Cove」で、IPCは最大19%向上。さらに512bitのベクトル処理ができる最新の拡張命令「AVX-512」や、ディープラーニングを高速化する「インテル ディープラーニング・ブースト」などの機能が追加されている。
「第11世代Intel Coreプロセッサ」では、これまで5世代にわたり使用されてきた「Skylake」アーキテクチャではなく、最新の「Cypress Cove」アーキテクチャを採用する |
また製造プロセスを10nmから14nmにバックポートしたことで、「Sunny Cove」のクロックが上がりにくい欠点を解消。「第11世代Intel Coreプロセッサ」の最高クロックは先代と同じ最高5.30GHzを達成した。加えて、隠し玉とも言える最新ブースト機能「Adaptive Boost Technology」が追加され、マルチスレッド処理時のクロック低下を抑えることができるのも大きな特徴だ。
「第11世代Intel Coreプロセッサ」の中でもCore i9-11900K/KFのみに実装された「Adaptive Boost Technology」。CPU温度を100℃まで許容することで、8コア動作時でも5.10GHzの高クロック動作が可能 |
ただし本来10nmプロセス向けに設計されていたものを14nmプロセスに移植した弊害もあり、コア数はこれまでの最高10コア/20スレッドから、最高8コア/16スレッドへと2コア分削減された。このコア数の差をIPCの向上や新ブースト機能で埋めることができているのかは、後半のテストセッションで明らかにしていく。
そして内蔵GPUも従来のIntel UHD Graphics 600シリーズから、Tiger Lakeで採用されている「Intel Xe Graphics」ベースの「Intel UHD Graphics 750」に変更。実行ユニット数はTiger Lakeの3分の1となる最大32基に留まるが、パフォーマンスは従来から最大50%向上しており、ライトな処理であれば別途グラフィックスカードを用意する必要はないだろう。
GPUコアには実行ユニット数32基の「Intel UHD Graphics 750」を内蔵する |
またIntelのデスクトップ向けCPUとしては初めて「PCI-Express4.0」をサポートしており、AMD Radeon RX 6000シリーズやNVIDIA GeForce RTX 30シリーズなどの最新GPUや、7,000MB/secを超えるNVMe M.2 SSDのパフォーマンスを最大限に引き出すことができるようになった。
製品ラインナップは今回検証する「Core i9-11900K」を筆頭に、Core i9とCore i7が各5モデル、Core i5が9モデルの計19モデル。なおCore i3以下のモデルは用意されておらず、その代わりに「第10世代Intel Coreプロセッサ」の動作クロックを引き上げた「リフレッシュモデル」が新たに追加されている。