エルミタ的「編集部で使ってみた」
2021.04.09 更新
文:文:撮影・岸本仁
さて、付属品や外観チェックの次は実用テストだ。屋内外問わずさまざまな用途が想定されるポータブル電源。あいにく、筆者はアウトドア趣味を持たないため、家の中での使用に絞って使っていこう。
まずは出力関連。部屋の中で目に付いたガジェット類で充電できそうな物やコンセントを使いそうな物を手当たり次第に挿してみる。そしてAC、USBそれぞれの出力をONにすると給電スタート。開封段階では残量が60%ほどになっていたので「PowerStudio 300」への充電も同時に行ってみる。さながら巨大モバイルバッテリーという感じで、とても直感的に使える。
充電と給電を同時に行っている様子。コンセントには撮影用のLEDライトを接続してみた |
一か所にこれだけの出力が集中できるというだけでかなり有用なのではないだろうか。ポータブル電源というより何でもコンセントという体だが、これはとても便利だ。しかも持ち運び可能となれば、一気に用途が広がってくる。3.7kgとはいえ、ほいほいと持ち運んで使うにはやや面倒ではと心配していたが、実際に持ってみると思いの外軽く感じる。牛革の持ち手が心地良いというのもあり、持って移動しろと言われても全く苦にならない。自室だけでなくリビングや屋上で電源を使いたくなった場合でも、これなら簡単に持ち運べるだろう。
脱衣所から持ってきたドライヤーを使おうとしたところ、安全装置が作動しすぐに出力がOFFになった |
ただ、いくらパワフルと言っても使えない機器もある。ACコンセントは定格出力300W仕様なため、日常的に使うであろう家電の大半は使用不能だ。万が一間違えて消費電力の高い機器を接続してしまった場合は、瞬間最大出力である600Wを超えるとすぐビープ音と共にAC出力がOFFになる安全装置が作動する様になっている。規格外な出力を出そうとして壊れる心配は無いというわけだ。ちなみに一定の温度になると本体内部を冷却するファンが動作するようになっているが、非常に静かだった事も追記しておこう。
本体に付いているLEDライト。ライトの脇のスイッチを押すと光る。ON→点滅→点滅(ゆっくり)→OFFというモードがある。長押しで強制OFFも可能 |
正直なところ、アウトドアとは程遠い人間がポータブル電源を家に置いても意味は無いと思っていた。しかしどうだろう。実際に「PowerStudio 300」を使ってみると便利さを感じるシーンは非常に多く、購入の予定を立てるほど気に入ってしまった。もちろん緊急時に対する備えとしての安心感もあるのだが“家中に移動出来るコンセント”という存在はとても有用だった。
わざわざ電源タップを遠くのコンセントから引っ張ってきたり、来客があった時にモバイルバッテリーを引っ張りだしてきたりする事は無い。家中どこでもノートPCを充電しながら液晶ディスプレイに電源を供給し、テレワーク環境を構築することもできる。緊急時にどこにあるか分からないと慌てるより、リビングに常に置いてあった方が良いし、そんな時にこの見た目なら家具との調和も難しくないだろう。一家に一台置いてあれば、さまざまなシーンで活躍が期待出来るポータブル電源。「PowerStudio 300」は最初に買ってみるべきポータブル電源として、あらゆる家庭にオススメしたい一台だ。