エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.985
2021.04.12 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
SAPPHIRE「SAPPHIRE NITRO+ Radeon RX 6700 XT OC 12G GDDR6」 市場想定売価税込96,800円(2021年3月19日発売) 製品情報(SAPPHIRE)(アスク) |
Radeonグラフィックスカードを語る上で、長年のRadeon専業メーカーとして豊富な実績をもつSAPPHIREは別格の存在だ。それはハイエンド帯でも競合に伍するパフォーマンスを獲得した「Radeon RX 6000」シリーズの登場以降も変わらず、厚い信頼とともに屈指の人気を誇っている。
SAPPHIREオリジナルモデルの二本柱を構成する、「NITRO+」(左)と「PULSE」シリーズ。フラッグシップの「NITRO+」シリーズには、より大規模な冷却機構の「Tri-X」が採用される |
そのSAPPHIRE製品の中にあって、トップクラスのプレミアムモデルに位置付けられているのが「NITRO+」シリーズだ。トレードマークは、最高レベルの冷却性能を備えたオリジナルの3連ファンクーラー「Tri-X」。そこへ強靭な電源回路や高品質コンポーネントを組み合わせ、各GPU搭載製品のフラッグシップとして市場に投入される。
今回の主役は、その「NITRO+」シリーズに新しく加えられた、Radeon RX 6700 XT搭載モデルの「SAPPHIRE NITRO+ Radeon RX 6700 XT OC 12G GDDR6」(以降「NITRO+ Radeon RX 6700 XT」)だ。
当初の想定より価格設定が高めだったにも関わらず、アキバ全体で多くの行列を集めたRadeon RX 6700 XTの解禁日。その中でもSAPPHIRE製品の人気は一際大きかった |
さて、その「NITRO+ Radeon RX 6700 XT」とは、いったいどのようなグラフィックスカードなのだろうか。まずは各種装備や機能、スペックなどの概要からチェックしていこう。
アッパーミドル向けの最新GPU Radeon RX 6700 XTを搭載した「NITRO+ Radeon RX 6700 XT」。新デザインのファンやヒートシンク設計が盛り込まれたクーラー、信頼性抜群の電源周りを特徴とする |
最大の特徴は、言わずもがなシリーズの特徴でもある3連ファンクーラーの「Tri-X」だ。刷新されたデュアルボールベアリング採用の冷却ファンは、従来型の静音ファンとブロアーファンの特性を組み合わせたハイブリッド仕様。同様に新設計のヒートシンクは、風切り音を抑えるウェーブフィンデザインとGPUへのエアフローを集束させるV字型フィンを組み合わせた、技ありの構造になっている。
冷却ファンは取り外して容易にメンテナンスできる「Quick Connect」に対応。低負荷時に回転を停止するセミファンレス機能「Intelligent Fan Control」も備えている。
鮮やかなオレンジが目を引く「NITRO+ Radeon RX 6700 XT」のパッケージ。オーバークロック仕様を示すシールが貼られ、裏面には簡単な仕様が記載されている |
そして電源回路には、高負荷時でも安定した電力供給を可能にする11フェーズのデジタル電源を搭載。動作クロックは、ゲームクロック2,548MHz(リファレンス2,424MHz)、ブーストクロック2,622MHz(同2,581MHz)にチューンされたオーバークロック仕様だ。メモリスピードは16Gbpsで、メモリバス幅が192bit、GDDR6 12GBのビデオメモリを実装している。
また、「Performance」と「Silent」の2種類のBIOSを切り替えて使用できる「Dual BIOS」機能も搭載。クーラーカバーにはアドレサブルRGB LEDの「NITRO Glow」が内蔵されており、プレミアムモデルらしいデコレーション要素も備えている。