エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.985
2021.04.12 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
カードの全長に比べ、だいぶ控えめなサイズであることが分かるオリジナル仕様の基板。そのためか、全体的にコンポーネントの実装密度はかなり高めだ |
続いては、普段「Tri-X」クーラーに隠されている「NITRO+ Radeon RX 6700 XT」のオリジナル基板をチェックしていこう。11フェーズのデジタル電源回路を搭載する安定性に優れた設計で、高効率チョークや高耐久コンデンサ、ヒューズプロテクションを内蔵した補助電源回路など、いずれもこだわりの高品質コンポーネントで構成されている。
「RDNA 2」アーキテクチャの最新コア「Navi 22」を採用する「Radeon RX 6700 XT」。トランジスタ数は172億でSP数は2,560基、Infinity Cacheは96MBを内蔵している |
メモリチップには小型のヒートシンクが直接貼り付けられ、効果的な冷却を可能にしている |
ビデオメモリは、Samsung製のGDDR6「K4ZAF325BM-HC16」を採用。メモリスピードは16Gbspで、容量2GBのチップ6枚で12GBを構成している |
合計11フェーズ構成の電源回路。MOSFETはDrMOS仕様で、コンデンサにも高耐久モデルが採用されている |
Infineon(旧IR)製のPWMコントローラ「IR35217」。すぐ近くには、PCI-Expressスロット用のヒューズも確認できる | メモリ用PWMコントローラON Semiconductor「NCP81022N」 |
LED制御用に実装されている、Arm Cortex-M0ベースの32bitマイコンNuvoton「NUC029LAN」 | 「Tri-X」クーラーのケーブルが接続されている、8pin+4pinのファンコネクタ |
カード側面に搭載されたRGB LEDバー。4pinでクーラーカバーに接続されている |
カード先端に実装されているARGB LEDピンヘッダ。マザーボード同期用にRGBケーブルで接続する際に使用する | 8pin+6pin構成の補助電源コネクタ。それぞれ電源回路にはヒューズプロテクションが採用されている |
バックプレートを取り外し、基板裏面をチェック。カード先端の裏側は、だいぶLEDが場所を取っていたようだ |
「NITRO+ Radeon RX 6700 XT」のスペックや機能を理解したところで、「NITRO+」シリーズと双璧をなすSAPPHIREグラフィックスカードの「PULSE」シリーズをご紹介しておこう。シリーズのRadeon RX 6700 XT搭載モデルは「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 6700 XT 12G GDDR6」で、トレードマークはオリジナル2連ファンクーラー「Dual-X」だ。
SAPPHIRE「SAPPHIRE PULSE Radeon RX 6700 XT 12G GDDR6」 市場想定売価税込85,800円(2021年3月19日発売) 製品情報(SAPPHIRE)(アスク) |
動作クロックは、ゲームクロック2,424MHz、ブーストクロック2,581MHzのリファレンス仕様。信頼性重視のオリジナル基板は、ヒューズプロテクション内蔵の補助電源回路をはじめ、高品質コンポーネントが採用されている。同様に構造が刷新されたハイブリッドファンブレードの静音ファンは、セミファンレス動作に対応。安定した定格運用思考のユーザーにとっては、有力な選択肢の1つになるだろう。
「NITRO+」シリーズ同様にバックプレートを備えたフルアーマー仕様。パッケージにもシリーズ名が分かりやすく記載され、「NITRO+」シリーズとはデザイン面でも区別されている |