エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.986
2021.04.14 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは3Dベンチマークソフトの定番「3DMark」から、レイトレーシングの性能をチェックする「Port Royal」の結果を確認していこう。
もともと「RDNA 2」アーキテクチャが苦手としているレイトレーシング系のベンチマークということで、総合スコアは6,000未満、フレームレートも30fpsを超えることができなかった。またリファレンスモデルと比較するとほぼゲームクロック通り約3%スコアが向上した。
続いて、シーン全体のレンダリングにレイトレーシングを使用する高負荷テスト「DirectX Raytracing」の結果を確認しておこう。
「Port Royal」よりもさらに重いレイトレーシングベンチマークということで、フレームレートは13fps台にとどまる。ベンチマーク中の映像もコマ落ち気味で、レイトレーシング機能をフルに使うゲームでは、解像度をフルHD以下に落としたり、画質をある程度調整する必要がありそうだ。またリファレンスモデルとの差は「3DMark:Port Royal」と同じ約3%で、やはりオーバークロックの効果は確実にある。
次により一般的なゲームで使用されているラスタライズ性能を確認するため、APIにDirectX 12を使用する「Time Spy」のスコアをチェックしていこう。プリセットは「Time Spy」と「Time Spy Extreme」の両方で計測を行った。
WQHD解像度の「Time Spy」のスコアは約12,000ポイント、主要ゲーム性能を算出する「Estimated game performance」(Battlefield V/1440p Ultra)でも「115+FPS」の判定で、最近ラインナップが増えている100Hzを超える高速リフレッシュレートに対応するWQHD液晶ディスプレイの実力を存分に発揮することができる。
また4K解像度の「Time Spy Extreme」のスコアは約5,954ポイント、フレームレートはGraphics test1/2とも30fpsを超え、シングルプレイであれば4K解像度でもストレスなくゲームを楽しむことができるだろう。なおリファレンスモデルとの差はこれまでのテストと同じ約3%だった。
「3DMark」ベンチマークのラストは、APIにDirect X11を使用する「Fire Strike」のスコアを確認しておこう。プリセットはこちらも「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類で計測を行っている。
フルHD解像度の「Fire Strike」のスコアは約31,000ポイント、フレームレートもGraphics test 1で170fps、Graphics test 2でも140fpsを超え、解像度を抑えつつリフレッシュレートを稼ぎたい場合には「Radeon RX 6700 XT GAMING X 12G」は有望な選択肢になる。
またWQHD解像度の「Fire Strike Extreme」でも総合スコアは16,860ポイント、フレームレートはGraphics test 1で約90fps、Graphics test 2でも65fpsを超え、マルチプレイでも全く問題なし。さすがに4K解像度の「Fire Strike Ultra」では総合スコアが約8,670ポイント、フレームレートもGraphics test 1で40fps強に留まり、マルチプレイでゲームをプレイするならある程度画質を調整したほうがいいだろう。
なおリファレンスモデルとの差は「Fire Strike」で約1%、「Fire Strike Extreme」や「Fire Strike Ultra」でも約2%で、GPUの負荷が低くなるとオーバークロックの効果も小さくなるようだ。