エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.987
2021.04.17 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
CPUソケットはLGA1200。下位互換も維持されているため、マルチスレッド性能を重視するなら10コア/20スレッドモデルのある第10世代Intel Coreプロセッサを選択するのもアリだ |
製品の概要を把握したところで、ここからは「Z590 Taichi」をパッケージから取り出し、画像による詳細検証を進めていこう。
CPUの電源回路は、デジタルPWMによる14フェーズ構成。さらに各フェーズの電流と温度を監視してCPUに必要な電力をスムーズかつ安定して供給する「90A Smart Power Stage」(90A SPS)をはじめ、飽和電流を通常の3倍に高めた「プレミアム90Aパワーチョーク」や、一般的なハイエンドコンデンサより製品寿命を20%向上した「ニチコン製12Kブラックコンデンサ」など、厳選した高品質なパーツを採用することで高負荷時の安定性を高めている。
ハイエンドモデルらしくMOSFET、チョークコイル、コンデンサが整然と並ぶ電源回路。コンデンサには「ニチコン製12Kブラックコンデンサ」に加え、小型かつ耐久性に優れるタンタルコンデンサも採用されていた |
ハイエンドモデルとしては飛び抜けてフェーズ数が多いわけではないが、「90A SPS」や「プレミアム90Aパワーチョーク」など、実装されているパーツはいずれも非常に高品質なものばかり |
デジタルPWMコントローラはRenesas(Intersil)「ISL69269」を搭載 | 補助電源コネクタは8pinx2 |
また電源回路のヒートシンクには、ヒートパイプで連結された2ブロック構成の「XXLアルミニウム合金製ヒートシンク」を搭載。CPUソケット左側のヒートシンクには冷却ファンを標準装備し、トップのヒートシンクにも付属の30mmファン(40mmに換装も可能)を増設できる。さらに導電率と放熱性に優れた「2オンス銅箔層」を備えた8層PCBを採用するなど、徹底した冷却対策が施されている。
電源回路を強力に冷却する2ブロック構成の「XXLアルミニウム合金製ヒートシンク」を搭載 |
CPUソケット上側のヒートシンク。右サイドには付属の30mmファンを増設可能 | CPUソケット左側のヒートシンクにはあらかじめ冷却ファンが内蔵されている |
2つのヒートシンクはヒートパイプで連結。またMOSFETやチョークコイルとの接触面にはサーマルパッドが貼り付けられている |
チップセットには「Taichi」シリーズのモチーフになっているギアがデザインされたヒートシンクを搭載している |
「Z590 Taichi」に実装されているチップセットは、LGA1200プラットフォーム向け最上位のIntel Z590だ。CPUとの接続インターフェイスはDMI3.0x4からDMI3.0x8に変更され、帯域幅は2倍に拡張。さらにThunderbolt 4、USB3.2 Gen.2×2などの高速インターフェイスや、6GHz帯を使用できる(国内では現状使用不可)最新無線LAN規格Wi-Fi 6Eなどへの対応が追加されている。もちろんこれまでの「Z」シリーズと同じく、CPUのオーバークロックやPCI-Expressレーンの分割、RAID機能もサポートしている。
ヒートシンクには計6灯のアドレサブルRGB LEDが内蔵され、「Polychrome Sync」で制御可能 |
24レーンのPCI-Express3.0を備えたIntel Z590。パッケージサイズは25x24mm、TDPは6Wとされ、発熱はそれほど多くない |