エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.988
2021.04.20 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
Antec「NE850 Platinum」 市場想定売価税込22,800円(2021年3月27日発売) 製品情報(Antec)(株式会社リンクスインターナショナル) |
パーツショップの店頭に立つと、意外なほど多くのラインナップに驚かされるのが電源ユニット。その中でも、長く売れ筋として自作ユーザーに親しまれてきた製品に、Antecの「NeoECO」シリーズがある。特にミドルレンジ層に厚い支持を受けた80PLUS GOLD認証モデルの「NeoECO GOLD」シリーズは、2017年末の発売以来トップクラスのセールスを記録してきた定番電源だ。
Antecのロングセラー電源「NeoECO GOLD」に連なる新製品、80PLUS PLATINUM認証を取得した「NE Platinum」シリーズの販売が始まっている |
その「NeoECO」シリーズの系譜を継ぐ新モデルとして、先月から市場に投入されたのが80PLUS PLATINUM認証の「NE Platinum」シリーズ。容量ラインナップは650W/750W/850Wの3モデルだ。新製品ながら価格もPLATINUM認証モデルとしては手頃な部類であり、新たな人気シリーズの仲間入りが期待される。
ちなみにAntecはPLATINUM認証の高級モデルとして、1000W以上で構成される「Signature Platinum」シリーズを展開中。今回登場した「NE Platinum」シリーズは、製品グレードや容量の両面において、電源ラインナップのスキマを埋める存在でもあるというわけだ。
余談ながら、Antecは2021年11月5日で創立35周年を迎える。今年は様々な機会でこれらの記念ロゴを目にすることになりそうだ |
早速その「NE Platinum」シリーズについて、その仕様や機能といった概要からチェックしていこう。最大効率94%を誇る80PLUS PLATINUM認証取得の電源ユニットで、ケーブル仕様はフルモジュラータイプ。ハイエンド向けモデルながら、奥行きを140mmに抑えたショートデザインが採用されている。
フルモジュラーのPLATINUM認証電源「NE Platinum」シリーズ。650W~850Wの3モデルをラインナップする |
信頼性を重視するAntecらしい堅実な設計は健在で、すべてのコンデンサは日本メーカー製の105℃コンデンサを採用。サーバーグレードのハーフブリッジLLC回路とDC-DC変換回路を搭載し、優れた耐久性と高効率動作を実現している。
シングルレーン仕様の+12Vだけで99%の出力が可能という余裕のある設計で、+12V出力は最大70Aを確保。CPUのオーバークロックやマルチGPUの運用にも不安はない。
日本メーカー製の105℃コンデンサで統一するなど、高品質部材で構成される堅実な設計。冷却にはセミファンレス対応の静音ファンを採用している |
また、冷却機構には“ささやき声”レベルの静音性を謳う120mm口径のスリーブベアリングファンを搭載。低負荷時にファン回転を停止する「Zero RPM mode」に対応し、騒音を可能な限り抑えることができる。なおこのセミファンレス機能は、本体背面に用意された「Hybridモードスイッチ」でON/OFFが可能。常時回転を好むユーザーにも配慮した仕様だ。
そのほか、“CircuitShield”と呼称する工業用グレードの保護回路を搭載。過電流保護(OCP)、過電圧保護(OVP)、低電圧保護(UVP)、加熱保護(OTP)、ショート保護回路(SCP)、過電力保護回路(OPP)、突入電流保護(SIP)、無負荷定格速度運転(NLO)に対応している。メーカー保証は7年間だ。
なお今回のレビューでは、国内正規代理店の株式会社リンクスインターナショナルより850Wモデルの「NE850 Platinum」を借り受け、検証を行っていく。
「NeoECO」シリーズに属する製品であることがひと目で分かるパッケージ。アイコンベースで分かりやすく記載された、各種目玉機能をチェックしておこう |