エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.988
2021.04.20 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
トップフレームのネジ4箇所を外すだけで分解が可能(ただし保証はなくなる)。さぁ内部構造にアクセスしよう |
「NE850 Platinum」の内部を覗き込んだ第一印象は、極めてスッキリした構造であるということ。高効率設計(その分発熱が少ない)のためヒートシンクも小振りに収まっているほか、一般的にはドーターボードで実装されることの多いDC-DC変換回路も基板上に一体化している。内部のエアフローを遮るものが極端に少なく、この点は冷却面で大きなメリットになりそうだ。ファンの回転数も通常より低く抑えることが可能だろう。
必要な部材が厳選された、整った「NE850 Platinum」の内部構造を真上から。ドーターボードを用いることなく、一枚基板にすべてのコンポーネントが集約されている |
ACコンセントから交流電流を取り込む入力部。突入電流や高周波ノイズを防ぐEMC・ECIフィルターを備えている。「Hybridモードスイッチ」のケーブルは、2pinで基板に接続されていた |
ヒートシンク右端に取り付けられている一次側の整流回路。交流を直流に変換する過程で大きな熱が発生するため、ヒートシンクと一体化しているのが定番だ | 力率を改善するアクティブPFC回路 |
一次側の平滑回路には、420V/105℃対応の日本ケミコン製大容量コンデンサが実装されている |
脈流の電圧変動を抑えて安定した直流を作り出す、フルブリッジLLC回路。スイッチング用の大型MOSFETは発熱も大きいため、ヒートシンクに直接貼り付けられている |
中央に実装されているメイントランスは、特殊なシールド構造が目を引く。すぐ隣にはサブトランスを実装、この周辺の基板もフィルムでシールドされているようだ |
スタンバイ用と思われる5VSB回路用のサブトランス | 二次側の整流回路から平滑回路にかけてのエリア。高速な応答性能が求められるため、固体コンデンサも採用されている |
本来はドーターボードなどで実装されることも多い、各種保護回路も基板上に実装されている。耐圧性は求められないため、コンデンサは容量の小さな105℃品(日本ケミコン製)が実装されていた |
12Vから5Vと3.3Vを生成、高効率な動作を可能にするDC-DC変換部。こちらも保護回路同様に基板上に直接実装されている |
内部の最奥には、モジュラーコネクタが接続されるケーブルマネジメント基板が搭載されている |
冷却ファンは、スリーブベアリングを採用するAMBEYOND Technology製120mmファン「AV-F12025MS」を搭載。最大回転数は2,300rpmで最大風量は60CFM、システム負荷に応じて最適な回転に制御されている |
トップフレームに4箇所の特殊ネジでマウント。基板上の4pinコネクタに接続されている |