エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.988
2021.04.20 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ここまで「NE850 Platinum」の基本仕様や外観、内部構造に至るまでをチェックしてきた。ここからは、実際にシステムへ組み込んで高負荷環境における挙動を確かめてみよう。検証環境のCPUには、12コア/24スレッドのRyzen 9 5900X(3.70GHz/最大4.80GHz/キャッシュ6+64MB/TDP105W)、グラフィックスカードはGeForce RTX 3090搭載のオーバークロックモデルMSI「GeForce RTX 3090 SUPRIM X 24G」を用意。現行最強クラスのウルトラハイエンド環境で負荷をかけることにした。
12コア/24スレッドのハイエンドCPU Ryzen 9 5900Xを搭載。TDPは105Wだ |
グラフィックスカードは3連ファン仕様の「TRI FROZR2S」クーラーを搭載したMSI「GeForce RTX 3090 SUPRIM X 24G」。最大1,860MHzで動作するOCモデルで、TDPは420W、推奨電源は環境ジャストの850Wとされる |
「GPU-Z」でベンチマーク中の挙動をチェック。動作クロックは公称1,860MHzのところ、ほぼ安定して1,920MHzで動作していた |
電源ユニットの検証にあたり、電圧変動を視覚的に把握できる総合ユーティリティの「AIDA64 Extreme Edition」を使用している。まずはそのソフトウェアに統合されているストレステストの「AIDA64 Extreme Edition:System Stability Test」を実行。すべてのチェックボックスを有効にし、最大限の負荷がかかるように設定して30分間連続で動作させてみた。
一般的に電源ユニットが最も効率良く動作するのは、容量の半分程度の負荷がかかる環境だ。「NE850 Platinum」の場合は425W程度だが、「AIDA64」動作時は消費電力が最大660Wまで上昇。8割に迫る強めの負荷がかかっていた。
その環境における挙動を見ていくと、CPUやグラフィックスカードなど主要パーツの動作に用いられる12Vは、定格との差が1.2%しかない。5Vは数値上やや定格割れしているものの、これもほとんど誤差と言えるレベル。むしろその数値のまま変動がなく、12Vを含めグラフの波形はフラットそのものだ。強めの負荷がかかった環境ながら、一貫してブレのない出力を維持できている点は、「NE850 Platinum」の高い信頼性を示している。