エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.988
2021.04.20 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
続いて、定番ストレステストの最新版「OCCT 8.1.0」を動作させ、その際の挙動を見ていこう。CPUとグラフィックスカードの両方に強力な負荷をかける「Power」プリセットを選択し、先ほどと同様に30分間連続で動作させている。
テスト中の消費電力は最大679Wで、ほぼ8割の負荷がかかっていた。やや非現実的と言える強い負荷をかけるテストだけに、「AIDA64」より大きなパワーが要求されていたようだ。
そのままテスト結果に目を向けると、「AIDA64」とは異なり12Vの最小値がやや定格を割った。しかし全体の変動幅はわずか1.7%と、かなり微細だ。PC用の電源ユニットは規格上3%程度の電圧変動が許容されているが、その基準を大きく下回る堅実な動作と言える。下振れしたのも一瞬のことであり、定格以上のほぼ一定した出力で動作している点は平均値からも明らか。グラフもほぼ凪いで落ち着いた波形を示していた。
次に実行したテストは、3Dベンチマークの定番である「3DMark」のストレステスト「Time Spy Extreme Stress Test」だ。主にグラフィックスカードが活躍する3D描画を用いたテストで、DirectX 12環境のヘビーな負荷をかけた際の挙動を見ることができる。なお、テストはこれまで通り合計で30分間動作させている。
消費電力は先ほどからやや落ち着き、最大で609Wを記録。CPUの稼働率がそれほど高くないためで、850Wの電源環境においては7割程度の負荷に収まった。
不規則な負荷がかかるためか、グラフの変動が大きくなりがちなテストながら、その気配がまったくない点はさすがの一言。傾向としては「OCCT」をさらにマイルドにしたような印象で、全体の変動幅も1.3%と小幅だ。それは平均値が示すように下振れは一瞬のことで、12Vの数値はほぼ12.091Vに張り付くような一貫した動作を見せていた。