エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.990
2021.04.24 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影・検証:岸本 仁
まずは定番のレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15」で、CPUの純粋なパフォーマンスをチェックしていこう。
Intel Thermal Velocity boost機能に対応し、アクティブコアが2コアまでなら最高5.30GHzで動作するCore i9-11900K。一方、Core i7-11700Kの動作クロックは5.00GHzで頭打ちになるものの、シングルコアテストの差は約3%で、最高動作クロック(6%)ほどの差はついていない。
またCore i5-11400は、最高クロックが4.40GHzと低めに設定されているため、Core i9-11900Kより約15%低いスコア。ただし、先代のフラッグシップCore i9-10900K(218cb)とはほぼ同等。価格帯がほぼ同じRyzen 5 3600(197cb)は完全に上回るパフォーマンスを発揮する。
そしてマルチコアテストの結果を確認するとCore i9-11900KとCore i7-11700Kについてはその差は約4%でほぼクロック通り(4.80GHzと4.60GHz)。また6コア/12スレッドのCore i5-11400のスコアは1,573cbで、データベースを確認すると8コア/8スレッドのCore i7-9700Kや6コア/12スレッドのRyzen 5 3600とほぼ同じだった。
続いて、より負荷が高く、テスト時間が長いレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R20」のスコアを確認していこう。
Core i7-11700KとCore i9-11900Kを比較するとシングルコアテストは、ほぼブーストクロック通りとなる6%の差がついた。ただし、マルチコアテストは2%の差しかなくほとんど誤差の範囲と言っていいだろう。
続いてCore i5-11400のスコアを確認すると、シングルコアテストはCore i7-11700Kとの比較で約11%、Core i9-11900Kとの比較では約18%の差をつけられ、動作クロックの影響が大きい。とは言え、こちらもCore i9-10900K(521pts)を上回る。またマルチコアテストは3,961ptsで、データベースのスコアを確認すると、Ryzen 5 5600Xには負けるものの、その他の6コアCPUに対しては安定して上回ることができている。
次に、メニーコアCPUへの最適化が進んでいるレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R23」のスコアを確認していこう。
Core i7-11700KとCore i9-11900Kの差は、シングルコアテストが約2%とごくわずか。マルチコアテストも約4%で、「Adaptive Boost Technology」を使わないのであればほとんど違いはないだろう。それでいて約20,000円も安価なことを考えれば、Core i7-11700Kのコストパフォーマンスは優秀だ。
またCore i5-11400のスコアはシングルコアテストが1,406pts、マルチコアテストは10,283ptsで、Core i7-11700KやCore i9-11900Kとは明確な違いがある。ただし、シングルコアテストについてはCore i9-10900K(1,364pts)を上回り、新アーキテクチャ「Cypress Cove」を採用したメリットは確実にある。