エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.990
2021.04.24 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影・検証:岸本 仁
最後に消費電力を確認していこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時は「CINEBENCH」系ベンチマーク実行時の最高値を採用している。
使用しているマザーボードや電源ユニットが異なるためCore i7-11700KとCore i9-11900Kに関しては、今回敢えて比較はしないが、TDP125Wモデルらしく消費電力はかなり多めであることは間違いない。またTDP65WのCore i5-11400はCore i7-11700Kより90W以上も消費電力が低く、ワットパフォーマンスは優秀だ。
フラッグシップモデルではコア数のビハインドもあり、ライバルに対応して厳しい戦いを強いられている第11世代Intel Coreプロセッサ。しかし、今回検証したハイエンドモデルCore i7-11700Kは、Core i9-11900Kとの差はシングルスレッドで最大約6%、マルチスレッド性能に至っては3%前後とごくわずかで、かなり健闘している。
それでいて価格は約20,000円も安く、ライバルとなるRyzen 7 5800Xともほぼ同等。正直グラフィックスカードが枯渇している現状を鑑みると、内蔵GPUを備えるCore i7-11700Kのメリットは大きい。さらに動画エンコードをメインに考えているユーザーにはQuick Sync Videoも魅力的な機能と言えるだろう。
先代と同等のコア数が維持されており、IPC分パフォーマンスの向上が期待できる第11世代Intel Core i7/i5シリーズ。特に最廉価のCore i5-11400は同価格帯の中では現状最高クラスのシングルスレッド性能を発揮する |
そして個人的にさらにおすすめなのが、Core i5-11400だ。こちらはRyzen 5000シリーズに対抗となるモデルはなく、同価格帯の中では最高峰のシングルスレッド性能を実現。上位モデルと比較すると、マルチスレッドに最適化されているアプリケーションや、高リフレッシュレートを追求するような使い方では差があるものの、それ以外であれば差を感じるシーンはあまりないだろう。
また「K」モデルに比べると消費電力は劇的に低下しており、Intel B560/H510チップセットを採用するエントリーからミドルレンジクラスのマザーボードでも無理なく使うことができる。さらにこちらもGPUを内蔵しているため、ビジネス用途などで使用する場合はグッとコストを抑える事ができるのも大きなメリットだ。