エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.991
2021.04.26 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ショーケースのようなデザイン設計と言わしめるのが、3枚の強化ガラス製パネルだろう。ちなみに「The Tower 900」の強化ガラスは5mm厚だったが、「The Tower 100」では4mm厚が採用されている。素材として1mmの差は小さくないが、表面積が小さくボディも小型だけにまったく問題にならない。
まずフロントパネルは、実測で幅約245mm、高さ約320mm。外周部分はスチール製で10mm幅の枠が内部より装着されている。また両サイドパネルは、強化ガラス部が実測で幅約130mm、高さ約320mmで、10mm幅のスチール製枠を装着。さらに幅約110mmのスチール面は通気孔仕様とし、内部よりマグネット固定式の防塵フィルタが装備されていた。
両サイドパネルは通気孔仕様のスチール面と、4mm厚強化ガラスで構成。目の細かいマグネット固定式の防塵フィルタを備え、ホコリ対策は万全 |
なお固定方法は少々特徴的で、筆者もマニュアルを必要とした。まずじっくり観察すると各パネルにネジで固定されている形跡がなく、外観上は非常にきれいにまとめられている。実はトップパネルの枠がポイントで、上方向から3面の強化ガラス製パネルが固定されており、簡単に取り外しができない。つまり強化ガラス製パネルを外すには、まず4本のネジで固定されているトップパネルの枠を取り外さなければならない。
プラスチック製の枠はシャーシ側に4本のネジで固定。3面にわたる強化ガラス製パネルは、この枠によりガッチリ固定されている |
なお強化ガラス製パネル自体は、上方向にスライドする事で取り外しが可能。また3面の強化ガラス下の部分には約70mmのスチール製スカートが装着され、底面からハンドスクリューで固定されている。
強化ガラス製パネルの下部分をカバーするスチール製スカート。内部にはマグネット固定式の防塵フィルタを備え、付着したホコリ等のメンテナンスができるようになっていた |
今度は背面に回り、リアパネルを観察してみよう。見慣れたミドルタワーPCケースとは大きく異なり、あるはずの拡張スロット金具や、マザーボードのバックパネル用開口部は見当たらない。まず目に付く中央のメッシュフィルタの内部には、標準装備の120mmファンが確認できる。そして下段の開口部は電源ユニットの搭載スペースのようだ。主立ったものはこれくらいで、上部にある2つの穴は何をするものだろう。後ほど詳しく解説することにしよう。
リアパネルは脱落しない4本のハンドスクリューで固定されている。なお取り外したリアパネル内側には、120mmファンがテーパーネジで固定されていた |
本体を逆さまにして、ボトムパネルを見ていこう。まず広く面積が割かれているのがスライド着脱式の防塵フィルタ。内部シャーシ面ハニカム状の通気孔をカバーし、ホコリの侵入を未然に防いでいる。また左側面にあたる底面にも、縦に細い着脱式防塵フィルタを用意。通常あまり見かけない装備で、内部シャーシ面には縦に通気孔が設けられていた。なおこの上部にはグラフィックスカードが搭載される。
また四隅にはインシュレーター(台座)を装備。高さ約30mmのプラスチック製で底部には防振ゴムを装着。ボトムマウントとなる電源ユニット内蔵ファンの吸気がスムーズに行えるよう、設置面とボトムパネルに隙間をつくり出す役割を果たしている。
2種類の防塵フィルタ。メンテナンス性を考慮し、簡単に取り外す事ができる | インシュレーターは長方形。30mm高と一般的なミドルタワーPCケースよりも若干高い印象 |
2種類の防塵フィルタを外した状態のボトム面。ハニカム状の通気孔が2つ設けられている事が分かる |