エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.994
2021.05.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「Ion Gold 850W」の内外をくまなく観察したところで、ここからは肝心の信頼性を実動テストにて検証していこう。検証環境のCPUには、12コア/24スレッドのRyzen 9 5900X(3.70GHz/最大4.80GHz/キャッシュ6+64MB/TDP105W)、グラフィックスカードはRadeon RX 6900 XT搭載のオーバークロックモデルMSI「Radeon RX 6900 XT GAMING X TRIO 16G」を用意。現行トップクラスのウルトラハイエンド環境にて、各種ストレステストやベンチマークテスト動作中の挙動を見ていこう。
12コア/24スレッドのハイエンドCPU Ryzen 9 5900Xを搭載。TDP105Wで、高負荷時には最大4.8GHz前後までクロックが上昇する |
オリジナル3連ファンクーラー「TRI FROZR 2」を装備したRadeon RX 6900 XTのOCモデルMSI「Radeon RX 6900 XT GAMING X TRIO 16G」。ブースト時に最大2,340MHzで動作、TDPは300Wとされる |
優秀なクーラーにより、フルロード時の動作クロックは最大2,501MHzに達していた |
今回検証を進めるにあたり、電圧変動を視覚的に把握できる「AIDA64 Extreme Edition」を使用している。まずはソフトウェアに統合されているストレステストの「System Stability Test」を使用し、その際の挙動を見ていこう。なおテストはすべてのチェックボックスを有効にして最大限の負荷がかかるよう設定、30分間連続で動作させている。
ストレステスト中における消費電力は最大615W。変換効率の面では容量の半分程度の負荷が理想的とされているが、今回は7割程度のやや重い負荷がかかっていた計算だ。
そしてそれより重要な安定性について、CPUやグラフィックスカードなど主要パーツの動作に用いられる12Vを中心にチェックしていく。最大でもわずかに数値上では定格を割っているが、その差は微小で誤差と言っていいレベル。全体の変動幅もわずか0.8%に留まっている。
特に印象的だったのは、負荷がかかっている最中に一貫して11.933Vを示し続けた驚くほどの安定性。数値上の下振れはテスト開始直後の一瞬だけ、それはピタリ同じ数値の平均値からもうかがえる。グラフ波形もフラットそのもの、フルロード環境でここまでブレなく同じ出力を維持し続けられる電源ユニットも珍しい。