エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.997
2021.05.13 更新
文:撮影・こまめ
ここからは「Summit E13 Flip Evo」(型番:Summit-E13FlipEvo-A11MT-013JP)のベンチマーク結果を交えながら、実際のパフォーマンスについて解説する。スペックをおさらいすると、CPUはIntel Core i5-1135G7でメモリ容量は16GB、ストレージは512GB NVMe M.2 SSD、グラフィックスはCPU内蔵のインテルIris Xeグラフィックスだ。
なおベンチマークテストの実施にあたりWindows 10の電源プランは「バランス」に、「MSI Center for Business & Productivity」の「User Scenario」は「High Performance」に設定した上で、さらに空冷ファンを最大出力で回転させる「Cooler Boost」に有効にしている。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングなどで大きく変わることがあるため、あくまで参考値として考えていただきたい。また文中で触れている他パーツとの比較値は、筆者調べによるものだ。
まずはCPU性能を計測する「CINEBENCH R15」および「CINEBENCH R20」の結果から。
「Summit E13 Flip Evo」ではCPUとして、4コア/8スレッドのIntel Core i7-1185G7またはIntel Core i5-1135G7が使われている。第11世代のCore i7でよく使われるのはIntel Core i7-1165G7だが、Intel Core i7-1185G7はvPro対応&高クロック版だ。Intel Core i5-1135G7はvPro非対応で、ミドルレンジクラスのノートPCでよく使われている。
第11世代のTiger Lake-Uシリーズは機種によってCPUのTDPを変更できるため、同じCPUでもベンチマークのスコアが大きく異なる場合がある。薄型ノートPCでは熱を抑えるために、パフォーマンスを低めに抑える傾向が強い。「Summit E13 Flip Evo」ではcTDP-upが15W (CPUのスペック上は最大28W)に抑えられており、PL1は32秒だった。仕様からはパフォーマンスを抑えていることがわかる。
ただし処理時間の短いCINEBENCH R15ではスコアが振るわなかったものの、処理時間の長いCINEBECH R20では優れた結果が出ている。CPUの発熱を抑えつつ、トータルでは高いパフォーマンスを維持し続けられるようにチューニングされているのだろう。モバイルノートPCとしては十分な結果だ。
ストレージは512GB NVMe M.2 SSDで、評価機ではPCI-Express4.0(x4)接続の超高速タイプが使われていた。デフォルトのテストではシーケンシャルリードで5,000MB/秒に迫る非常に優秀な結果が出ている。データサイズを64GiB、テスト回数を「9回」に変えて計測を3回連続で行なったところシーケンシャルリードの速度がやや低下したが、体感的には大きな違いはないだろう。
「CrystalDiskMark 8.0.1 x64」による512GB NVMe M.2 SSDのアクセス速度計測結果。PCI-Express4.0(x4)接続のため、非常に高速だ |