エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.999
2021.05.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ここからは実際に「HYDRO S 750W」を動作させ、各種ストレステストを使用して製品の信頼性を検証していこう。検証環境のCPUには、12コア/24スレッドのRyzen 9 5900X(3.70GHz/最大4.80GHz/キャッシュ6+64MB/TDP105W)、グラフィックスカードはRadeon RX 6900 XTを搭載したMSIのオーバークロックモデル「Radeon RX 6900 XT GAMING X TRIO 16G」を用意。ウルトラハイエンド環境による負荷で「HYDRO S 750W」がどのような挙動を示すのか確かめていく。
12コア/24スレッドのハイエンドCPU Ryzen 9 5900Xは、TDP105W。2系統のCPU補助電源を要求する搭載環境にて、フルロード時には最大4.8GHz前後までクロックが上昇していた |
MSIのRadeon系フラッグシップである、Radeon RX 6900 XTグラフィックス「Radeon RX 6900 XT GAMING X TRIO 16G」。ブースト時に最大2,340MHzで動作するOCモデルで、TDPは300Wとされる |
「GPS-Z」でフルロード時の挙動をチェック。オリジナル3連ファンクーラー「TRI FROZR 2」による優れた冷却性能のおかげで、最大2,523MHzの高クロックで動作していた |
検証を進めるにあたり、電圧の変動を視覚的に把握するために「AIDA64 Extreme Edition」を使用している。まずは手始めに、「AIDA64」に搭載されているストレステストの「System Stability Test」から「HYDRO S 750W」の実働テストを始めよう。テストではすべてのチェックボックスを有効にして最大限の負荷がかかるよう設定し、30分間連続で動作させている。
なおテスト中における消費電力は最大648W。電源ユニットは容量の半分程度の負荷がかかった際に最も変換効率で有利になる仕様だが、今回は86%というかなり重めの負荷がかけられていた。
早速に、CPUやグラフィックスカードなど主要パーツの動作に用いられる12Vの挙動を中心にみていくと、定格を基準とした最大の変動幅はわずか1.2%。PC向けの電源ユニットは規格上5%程度の電圧変動が許容されていることを考えれば、かなり小さな変動に収められている。定格割れを起こすシーンもまったくなかった。
また、12Vにフォーカスしたグラフ波形(11~13V範囲)をチェックすると、ほぼ12.091Vに張り付きで動作していることが見て取れる。時折12.038Vに変動しているが、これが変動の最小値。グラフが真にフラットで推移するシーンも多く、その動作は極めて安定している。