エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1000
2021.05.21 更新
文:池西 樹(検証)/文・撮影:松枝 清顕(解説)
Noctua「NH-U12S redux」 市場想定売価税込7,128円(2021年3月国内発売) 製品情報(Noctua) |
今回の主役「NH-U12S redux」は、2021年3月16日にグローバルリリースが配信された、Noctuaの新しいサイドフロー型CPUクーラーだ。発表資料によると、2013年に販売が開始された「NH-U12S」のバリエーションモデルという位置付け。曰く、合理化された手頃なコストパフォーマンスモデルとされている。
冒頭でも触れたように、市場想定売価税込7,128円は立派なハイエンドで、一般的には”コストパフォーマンスモデル”と言うには違和感があるだろう。しかしNoctuaのラインナップからすれば、税込7,000円台は”安価”な部類で、コストを抑えつつ、肝心な冷却能力は保持しようという考え。搭載ファンのカラーがNoctua色ではないあたり、製品に対する位置付けを明確にしたい意図を感じとることができる。
さて、実機を確認する前に、もう少し「NH-U12S redux」の立ち位置を紹介しよう。Noctuaが用意した比較表が分かりやすい。
「NH-U12S redux」は「NH-U12S」(搭載ファン違いの「NH-U12S chromax.black」もアリ)のバリエーションモデルだが、比較表にはさらに「NH-U12A」も名を連ねている。2019年3月に発売され詳細検証をお届けした「NH-U12A」は「NH-U12S」系よりも表面積を37%以上向上させ、空冷最強を目指したNoctuaの第5世代モデル。税込約13,000円ながら未だに市場での人気は高く、120mmファン搭載のサイドフロー型CPUクーラーとしては、実力も最強と考えていい。
比較表に戻ると「NH-U12S redux」は、ベースとされる「NH-U12S」よりもヒートパイプの数が1本少なく、搭載ファンの違いや「Low-Noise Adaptor」が付属しないなど、複数箇所で違いを見つけることができる。そして最も注目したいのが、ヒートシンクの製造方法だ。「Soldered interface of heatpipes and cooling fins」の×印は重要で、アルミニウム製放熱フィンとヒートパイプの接合部分にハンダが使用されていない。恐らくこの部分が、冷却能力に大きく影響するポイントになるだろう。
なお、対応プラットフォームはIntel LGA2066/2011/2011-3/1200/1156/1155/1151/1150、AMD Socket AM4で、AMD Socket AM3が除外されている。需要に合わせたアップデートで、合わせてリテンションのマウントパーツ(プレート)が「NM-AMB11」からSocket AM4専用の「NM-AMB7」に変更されている。
同梱のリテンションパーツが「NM-AMB11」(左)から「NM-AMB7」(右)に変更。AMDはSocket AM4専用になった |
対応ソケットを問わず、最後はバネネジでガッチリ固定する方式は従来通り。相変わらず細部の仕上がりが美しい |
製品パッケージ。オプションで用意されるデュアルファンアップグレードキット「NA-FK1」(右)共に、お馴染みのNoctuaカラーではなく、グレーを基調とした配色が特徴。外寸は実測で幅200mm、奥行き160mm、高さ115mm |