エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1000
2021.05.21 更新
文:池西 樹(検証)/文・撮影:松枝 清顕(解説)
次にニッケルメッキ処理が施された、銅製受熱ベースとヒートパイプを見ていこう。ともすれば廉価版と表現されやすい「NH-U12S redux」だが、その理由がこのセッションに集約されている。
受熱ベースの底面には、ハニカム状の模様が特徴的なグリスが塗布された状態で出荷されている。件の「NH-U12A」「NH-U12S」「NH-U12S chromax black」には、単体でも発売されている注射器タイプのサーマルグリス「NT-H1」が付属していたが、今回はそれが省略された。些細な事かもしれないが、CPUの付け替えなどを行う際は、自身で別途グリスを用意する必要がある。
受熱ベースは実測で45x42mm。これにヒートパイプを挟み込むプレートが覆い被さる格好。Noctuaにとって当然ながら、ヒートパイプのダイレクトタッチ式は採用されていない。なお上部プレートにはNoctua独自のリテンションキット「SecuFirm2」の一部である、コイルスプリング付きクロスバーが装着済み。
銅製受熱ベースと上部をカバーする両プレートは、合計で15.5mm厚になる |
そして「NH-U12S」と大きく異なるのが、ヒートパイプの搭載数だ。冒頭でも触れたように、「NH-U12S redux」では合計4本のヒートパイプが使用されている。1本減数されているワケだが、CPUから吸い上げた熱を放熱フィンに拡散するスピードに、どれだけの影響があるのか。肝心な冷却性能については、テストセッションで明らかになるだろう。
受熱ベース同様、さび止めの役割を果たすニッケルメッキ処理済みの銅製ヒートパイプ。ハイエンド志向の製品に多い5本から4本を選択する事で、受熱ベース部の密集具合がやや緩和されている |
ヒートシンク真裏から眺めると、ヒートパイプのレイアウトがよく分かる。これを見る限り、極力余計な曲げ加工はせず、スムーズに熱移動をさせようという意図が読み取れる |