エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1001
2021.05.24 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:pepe
【Benchmark Read】 |
【Benchmark Write】 |
【FileBenchmark】 |
【Random Access Read】 |
【Random Access Write】 |
「Benchmark」や「FileBenchmark」の傾向はこれまでの2モデルと全く同じ。キャッシュフラッシュと思われる「File Benchmark:Transfer speed」の「Write」を除けば、いずれもスコアは安定している。また「Random Access」は「Read」で約55,000 IOPS、「Write」も約60,000 IOPSで、かなり得意としているようだ。
【ATTO Disk Benchmark 4.00】 |
最高値は読込が3.22GB/sec、書込が最高3.05GB/secで、1TBモデルと全く同じスコア。また読込は32KBから、書込でも64KBからほぼ最高値に近いパフォーマンスを発揮しており、サイズの小さいデータでも速度低下が少ないのも特徴だ。
パフォーマンスの検証が一通り完了したところで、「EG2VNQ」シリーズの発熱とサーマルスロットリングの影響を確認していこう。テスト用のSSDには2TBモデル「CSSD-M2O2TEG2VNQ」を使用し、ヒートシンクなしの状態と、「Z590 Steel Legend」に標準装備されるヒートシンクを搭載した場合で計測を実施。なおテストには「CrystalDiskMark 8.0.1」を使い、データサイズ64GiB、テスト回数9回を3回連続して実行するかなり重い負荷をかけている。
ヒートシンクなしの「CrystalDiskMark 8.0.1」の結果 | ヒートシンク装着時の「CrystalDiskMark 8.0.1」の結果 |
Phison「PS5013-E13T」は従来のチップより小型化されていること。またメタル製ヒートスプレッダも非搭載なことから、テスト中の最高温度は85℃とかなり高め。サーマルスロットリングと思われる速度低下も発生しており、別途ヒートシンクは用意した方がいい。
またヒートシンクを装着すると温度は最高でも59℃で頭打ち。サーマルスロットリングと思われる症状も解消され、常に安定したパフォーマンスを発揮できるようになる。
ヒートシンクなし:アイドル時のサーモグラフィ結果 | ヒートシンクなし:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
ヒートシンク装着時:アイドル時のサーモグラフィ結果 | ヒートシンク装着時:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
またサーモグラフィの結果を確認すると、ヒートシンクのない状態ではアイドル時でもコントローラ部分の温度は最高53.1℃、高負荷時には99.7℃まで上昇している。製品寿命を伸ばす意味でも「EG2VNQ」シリーズを使用する場合は、必ずヒートシンクを用意しよう。
CFD販売のSSDと言えば、これまでも公称スペックは実測値に比べやや控えめに設定されていたが、今回検証した「EG2VNQ」シリーズでもこの傾向は変わらず。圧縮率の低いランダムデータでも、読込・書込とも公称値を上回る良好なスコア。さらに圧縮率の高いデータに至ってはインターフェイスの限界に迫るパフォーマンスを叩き出し、ハイエンドモデルとも十分に戦うことができる。
放熱についてはコントローラの小型化やヒートスプレッダが省略されたこともあり、ヒートシンクは別途必ず用意したいところ。とは言え、最近のマザーボードならよほど低価格のモデルでなければ、標準装備されていることから大きな問題にはならないだろう。
またこれまでかなりの数のSSDを検証してきたが、ここまで容量による性能差が少ないSSDは珍しい。パフォーマンスを気にせず、必要な容量に合わせてモデルを選択できるのは大きなメリット。特に500GBモデルは市場想定売価が税込7,500円前後と安価なことから、とりあえずNVMe M.2 SSDを使ってみたいという人にも大いにオススメできる。
協力:CFD販売株式会社