エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1004
2021.06.02 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
今回比較のために使用しているASUS「ROG-STRIX-RTX3080-O10G-GAMING」は、GeForce RTX 3080グラフィックスカードの中でもかなりクロックの高い製品だが、「GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition」が約7%上回る。またこれまで検証してきたGeForce RTX 3090グラフィックスカード「GV-N3090GAMING OC-24GD」や「GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24G」と比較してもほぼ同等のスコアを記録しており、レイトレーシング機能については現行のグラフィックスカードの中では間違いなく最高峰のパフォーマンスを発揮する。
続いて、シーン全体のレンダリングにレイトレーシングを使用する高負荷テスト「DirectX Raytracing」の結果を確認しておこう。
「Port Royal」よりさらに負荷が高いこともあり、「GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition」は「ROG-STRIX-RTX3080-O10G-GAMING」を約11%上回る良好なスコア。高解像度環境でレイトレーシング機能を有効にする場合は、拡張されたCUDAコア数や、メモリバス幅の影響が大きくなるようだ。
ここからは一般的なゲームで使用されているラスタライズ性能を確認するため、APIにDirectX 12を使用する「Time Spy」のスコアをチェックしていこう。プリセットは「Time Spy」と「Time Spy Extreme」の両方で計測を行った。
まずWQHD解像度の「Time Spy」のGraphics scoreを確認するとその差は約5%で、これまでのベンチマーク結果に比べるとその差が縮まっている。ただし、4K解像度の「Time Spy Extreme」では約8%に差が広がり、GPUの負荷が高い環境のほうがより違いが鮮明になる。ちなみに「Time Spy Extreme」のフレームレートを確認すると「ROG-STRIX-RTX3080-O10G-GAMING」では、Graphics test 1が58.30fps、Graphics test 2が53.75fpsなのに対して、「GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition」はそれぞれ63.32fpsと57.59fpsで、4K解像度の最高画質設定でもマルチプレイで快適にゲームを楽しむことができるだろう。
また対抗となるRadeon RX 6900 XT搭載モデルと比較すると、いずれのプリセットでも上回るスコアを叩き出しており、DirectX 12の環境についてはかなり得意としているようだ。
続いてAPIにDirect X11を使用するラスタライズテスト「Fire Strike」のスコアを確認しておこう。プリセットは「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類全てで計測を行っている。
Graphics scoreを比較すると、「Fire Strike」ではやはり負荷が軽すぎるのかその差は約6%に留まる。しかし、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」では約8%、4K解像度の「Fire Strike Ultra」では約9%に広がり、GPUの負荷が高くなるに連れて差が広がっている。なおRadeon RX 6900 XT搭載モデルと比較すると、すべてのプリセットでやや遅れをとっており、「Fire Strike」系のベンチマークはやや苦手としていることがわかる。