エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1005
2021.06.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
SuperO「M12SWA-TF」 市場想定売価税込85,250円前後(2021年3月26日発売) 製品情報(SuperO/株式会社アスク) |
今回の主役である「M12SWA-TF」は、SupermicroのコンシューマブランドSuperOからリリースされた、AMD WRX80チップセットを採用するRyzen Threadripper PRO向けハイエンドマザーボードだ。
ワークステーションのようなウルトラハイエンドPC向けに設計された「M12SWA-TF」。PCケースのフロント(画像右側)からリア(画像左側)に抜けるエアフローを阻害しないよう、電源回路のヒートシンクやCPUソケット、メモリスロットなども基板に平行に配置 |
コンシューマ向けでは最高峰となるRyzen Threadripper PROの128レーンにおよぶ豊富なPCI-Express4.0を活かし、拡張スロットはPCI-Express4.0(x16)x6本を搭載。ありがちなレーン分割や排他制限もなく、シングルスロットのグラフィックスカードであれば6枚搭載した状態でもその実力を最大限に発揮できる。
計6本のPCI-Express4.0(x16)スロット。すべてCPUに直結しており、制限なく使用することができる |
また4基のM.2はいずれもPCI-Express4.0(x4)接続に対応。さらに2基のU.2と、4基のSATA3.0(6Gbps)も搭載しており、ストレージ周りも圧巻。さらにRyzen Threadripper PROのもう一つの特徴でもある8チャネルメモリに対応する8本のDDR4スロットを備え、メモリ容量はUDIMMでも最大256GB、RDIMMを使えば最大2TBまで拡張することができる。
「M12SWA-TF」のブロックダイアグラム図。6本の拡張スロットの他、10ギガビットLANやギガビットLAN、USB3.2 Gen.2×2コントローラなどもCPUに直結されている |
もちろんSupermicroの製品ということで、サーバーグレードの設計も健在。実装されているパーツは、サーバーでも使用されている高品質部材で、さらに電力損失を抑え安定動作を可能にする“最短配線”を採用。さらにIPMIによる遠隔管理機能も備え、他のPCから状態をリモートで把握することができる。
一応、コンシューマ向けSuperOブランドの製品に位置づけられる「M12SWA-TF」だが、パッケージはサーバー向けSupermicroのものが使用されていた |
そのほか、ネットワークはMarvell「AQC113C」による10ギガビットLANと、Intel「I210-AT」のギガビットLANを搭載。また帯域幅20GbpsのUSB3.2 Gen.2×2 Type-Cポートを備えるなど、最新インターフェイスも充実している。それでいてRyzen Threadripper PRO対応マザーボードとしては現状最も安価で、非常にコストパフォーマンスの高い製品に仕上がっている。
ただし、拡張性を重視した設計のためフォームファクタはE-ATX(高さ304.8mm、幅330.2mm)とコンシューマ向けのマザーボードとしては非常に大型。あらかじめPCケースの対応は確認しておく必要がある。