エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1007
2021.06.09 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ゲーム関連のベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
アイドル時の消費電力は、省電力機能が有効になるためいずれも横並び。一方、高負荷時は公称TGPをやや上回り「GeForce RTX 3070 Founders Edition」から78W増加した。GeForce RTX 3080を搭載する「GeForce RTX 3080 GAMING X TRIO 10G」よりは約80W低く、上位モデルとは明確な違いはあるものの、GDDR6Xメモリを採用した影響は確実にある。
「GeForce RTX 3070 Founders Edition」から、消費電力が大きく増えている「GeForce RTX 3070 Ti Founders Edition」。テストセッションのラストは冷却性能をチェックしていこう。なお消費電力の計測と同じく、ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用している。
高負荷時のGPU温度は最高約82℃で、これまでチェックしてきた「Founders Edition」の中ではやや高め。ただし、ファン回転率は最高84%、回転数も1,900rpm前後で頭打ち。ノイズレベルもそれほど高くなく、メーカー各社のオリジナルクーラーであれば静音かつ温度を低く保つのは難しくないだろう
上位モデルGeForce RTX 3080シリーズと同じ、19Gbpsの超高速ビデオメモリGDDR6Xを採用するGeForce RTX 3070 Ti。CUDAコア数は微増、さらにメモリバス幅も据え置きながら、GeForce RTX 3070からは確実に性能が向上。特にWQHD以上の高解像度環境ではその効果が大きく、最近ラインナップが急増しているWQHDクラスの超高リフレッシュレート液晶ディスプレイとの組み合わせにちょうどいい。
また依然としてGeForce RTX 3080との差はあるものの、最新のAAAタイトルや、レイトレーシングを利用するものを除けば4K@60fpsまでなら最高画質でも快適にゲームを楽しむ事ができるだろう。
一方で、GDDR6X採用による消費電力の増加は少々気になるところ。一般的なタワー型PCケースを使用するゲーミングPCでは大きな影響はないが、Mini-ITXケースを使用するようなコンパクトPCでは、敢えて従来のGeForce RTX 3070をチョイスするのもアリだろう。
ちなみに事前の取材によると、販売価格はグラフィックスカード高騰の影響もあり、NVIDIAが事前に公開した予価よりはだいぶ高い約130,000円~約150,000円になる見込み。GeForce RTX 3070のカードもほぼ同じ価格で販売されているため、仕方のない部分もあるが、早く品薄が解消され、予価通りの価格で購入できるようになることを望みたい。
協力:NVIDIA Corporation