エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1008
2021.06.11 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ゲームにしろ日々のデスクワークにしろ、その生産性を高めるには良質なキーボードが不可欠だ。とは言え一口にキーボードと言っても、下を見れば1,000円以下から、上を仰げば40,000円クラスのモデルもあるなど、まさにピンからキリまで。しかし低価格モデルのほとんどを占めるメンブレンキーボードは、スイッチの仕組み上、入力ごとの荷重が一定でないものが多い。
そうしたキーボードを使った入力は、強い力が不規則に必要とされるため疲れやすく、単純に言ってストレスだ。その点、一定のサイクルで可動する構造をもつメカニカルスイッチは、常に同じ荷重で入力できるのはもちろん、そのスイッチ機構がもたらす快適な打鍵感が魅力。多くのゲーミングキーボードにおいて、メカニカルスイッチが選ばれる大きな理由だ。
GAMDIAS「HERMES S1S-JP RGB」 市場想定売価税込6,580円(2021年6月12日発売) |
もちろんその分、メカニカルキーボードはそれなりの価格になるわけで、エントリーユーザーにとって製品選びはそう簡単ではない。そこで今回は、そうしたエントリー層をターゲットに据えた、メカニカルスイッチ搭載の格安ゲーミングキーボードを取り上げる。
それがハイコストパフォーマンスに定評のあるGAMDIASブランドから新たに登場する、フルサイズの「HERMES L1」シリーズおよびテンキーレスの「HERMES S1」シリーズだ。「HERMES L1」シリーズは市場想定売価税込6,580円から、「HERMES S1」シリーズは税込5,980円からという格安な価格設定が特徴。キースイッチは、CHERRY MX互換の「GAMDIAS認定スイッチ」が採用されている。
搭載されているゲーミンググレードの「GAMDIAS認定スイッチ」。青軸/赤軸/シルバー軸があり、シルバー軸のみ400~600円ほど価格が上乗せされている |
なお、スイッチラインナップはそれぞれ3種類。タクタイルと小気味よい打鍵音を備えた、いわゆるClickyタイプの青軸。さらにタクタイルやクリック感がない軽量リニアスイッチの赤軸と、ショートアクチュエーションによる高速入力を特徴とするシルバー軸(Speed Silver)だ。
搭載スイッチがドドンと記載されている、分かりやすいパッケージ。ボックスの外形寸法は幅390mm、奥行き175mm、高さ30mm。イメージからフルサイズかテンキーレスかの判別も容易だ |
基本的な仕様はパッケージ裏面をチェック。スイッチの特性が5段階評価で記載されており、メカニカルスイッチに詳しくない人もある程度の把握が可能だろう |
また、低価格をウリにする製品ながら、キースイッチがしっかりメタルプレート上にマウントされたキーボードである点は見逃せない。単に基板上にマウントしただけのモデルに比べ、入力を受け止める剛性は段違いだ。そして従来モデルでは英語配列のキーレイアウトに無理やり日本語配列を刻印した“変態仕様”だったところ、新モデルでは完全な日本語配列のレイアウトが採用されている。
そのほか、各キーにはRGB対応のLEDバックライトを内蔵。ソフトウェアを使用することなく、キーボード上のショートカットで発光パターンや明るさを調整できる。Windowsキーロックや全体の入力ロック、Nキーロールオーバーによる全キー同時押し、フルアンチゴースト機能など、ゲーミング向けの定番機能も網羅。ポーリングレートも1,000Hzをサポートし、ゲーミングユースに耐える基本要素はしっかり揃えられている印象だ。