エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1009
2021.06.13 更新
文:/撮影・pepe
まず初めにリフレッシュレートの違いを体感するために、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、リフレッシュレート60Hz/120Hz/144Hz/200Hzでそれぞれの違いを比較する。テストではディスプレイ同期を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
144Hzも十分高速なリフレッシュレートではあるが、200Hzともなればすでに別次元であることが分かるだろう。コマ送り感がぐっと抑えられ、終始流れるようにスムースに描画されている。また画面の書き換え回数の多さから残像感も減少しており、VA方式のパネルでありながらその性能はTN方式に匹敵する。
リフレッシュレートが200Hzになると、スローで注視すればティアリング現象を確認できるが、ディスプレイ同期をOFFとした状態でもタイトルによっては限りなく影響が少なくなるだろう。常時200FPS以上を維持するマシン構成が必要であることは言うまでもないが、状況や環境に応じてオーバーヘッドを削減する手段になる。
ゲーミング液晶で最も重要な要素は、高速なリフレッシュレートであることに間違いないだろう。そういった要求の中でVA方式のパネルでコントラストを高めながらも、200Hz駆動、1ms応答を実現するなど「MAG301CR2」は、間違いなく頭ひとつ抜けた最新のハイエンドゲーミング液晶だ。それと同時に、実際に200Hz駆動を実現するためには相応のゲーミングPCもセットで用意する必要があるため、エンスージアスト向けとも言えるだろう。
加えて最大の魅力が、29.5型WFHD(2,560×1,080)解像度でアスペクト比21:9のウルトラワイドな曲面パネルだ。人間の眼球カーブに近いとされる1,500Rの曲率で、画面の隅まで視線距離が均一となり、まるで包み込まれるような没入感は感動もの。テストセッションでは紹介しきれなかったが、FFやモンハン等のRPGやアクション系のゲームでも臨場感あるプレイを楽しむことができるだろう。
またFHD解像度では圧迫されて現実的でなかったマルチタスクも、ウルトラワイドなら有効。表示領域を左右に拡大してゲームの配信や、攻略サイトの閲覧等を同時に行え、作業効率が格段に向上する。曲面かつウルトラワイドの組み合わせは、実際に見て使うことで利便性の高さに気が付く部分も多く、敬遠していたユーザーも店頭で実機を確認することを強くお勧めしたいモデルだ。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社