エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1010
2021.06.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
さぁここからテストセッションを進めていこう。検証では電圧変動を視覚的に把握するために「AIDA64 Extreme Edition」を動作させているが、まず最初はその中に搭載されているストレステストの「System Stability Test」を実行。最大限の負荷がかかるようにチェックボックスをすべて埋め、30分間連続で動作させることにした。
ちなみにテスト中における消費電力は、最大665Wだった。電力変換効率の面では、電源容量の半分程度の負荷が理想的とされる。今回は約78%という強めの負荷がかかっていた。
CPUやグラフィックスカードといった主要パーツの動作に用いられる、12Vの挙動を中心にテストを振り返っていこう。まず12Vにフォーカスしたグラフ波形(11~13V範囲)に目を向けると、ほぼ12.091Vフラットの状態で動作していることが分かる。
最大値が12.250Vと多少上振れしているのは気になるが、それでも定格値を基準とした変動幅はわずか2%程度。一般的にPC向け電源は5%程度の電圧変動が許容されているところ、その半分以下に収まっている。何よりフルロード中に挙動がまったく乱れない点が好印象だ。
続いては、ストレステストでは定番のソフトとして名高い「OCCT」の最新バージョンを実行。CPUとグラフィックスカードの両方に強力な負荷をかける「電源」プリセットを選択し、先ほどと同様に30分間連続で動作させた。
なお最大消費電力は、ストレージのロード分を引いた程度の624W。やや低下したとは言え73%程度の強い負荷がかかった環境で、どのような挙動が見られるだろうか。
グラフ波形は「AIDA64」以上に変動がなく、強力な負荷をかけるテスト中とは思えないほど凪いだ状態になっている。ほぼ12.091Vに張り付きで動作しているのは、グラフだけでなく近似の数値に落ち着いている平均値を見ても明らか。最大の変動幅も2%未満に収まっており、その信頼性の高さが窺える。