エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1012
2021.06.19 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
複数のストレージを搭載したいユーザーにはとてもオススメできない。「Dark Cube」のストレージ収納力は、3.5インチHDDが1台、2.5インチSSDが1台の計2台のみ。近頃のPCケースとしては珍しい、かなり思い切った設計と言える。設置場所はフロント寄り左側面の上部で、2.5インチと3.5インチドライブが1つのマウンタ裏表を使い、ネジ留めできるようになっていた。
2.5/3.5インチドライブが各1台搭載できる、専用マウンタはハンドスクリュー1本でシャーシに固定。SSDおよびHDDを固定する作業には、一旦マウンタを取り外す必要がある |
近年、データの扱い方法の多様化により、もはやストレージ収納力を競う時代ではない。HDDやSSDの容量単価も下がり、複数搭載するニーズは減少。さらにオンラインストレージや、各種クラウドサービスを利用するだけで事が足りるという人も多いだろう。そもそも収納力ではミドルタワーに劣るCube型だが、ことストレージに関してはPCの使い方次第でその差を縮める事ができてしまう。ストレージ収納力から見る「Dark Cube」は、イマドキのPC事情を反映した最たるカタチと言えるだろう。
2.5インチSSDは側面から、3.5インチHDDは底面から4点のネジ留め。なおSSDについては、ラベル面を逆にしての底面ネジ留めにも対応できる |
この手のPCケースとしては珍しく、ボトムカバーも装備されている。Cube型の多くは高さが十分ではないため、ボトムカバーが省略されるケースが多い。一方で「Dark Cube」はMicroATX対応で全高は406mmあり、電源ユニットをボトムレイアウトにしている事から、ボトムカバーが設置できている。
ボトムカバーの内部高は実測で約90mm。Mini-ITX限定ではないだけに、ボトムカバーの設置を前提に設計されているのかもしれない |
マザーボードは倒立レイアウトだが、電源ユニットはボトムマウントが採用されている。ボトムカバー内部に位置する搭載スペースは、底面に通気孔を用意。電源ユニットの固定には着脱できるブラケットにネジ留めを行い、所定の位置にスライドさせる仕組み。なお有効スペースは公称値で最大220mmまでとされる。
シャーシに4本のハンドスクリューで固定されたブラケット。これに電源ユニットをインチネジで固定する |
底面通気孔にはスライド着脱式の防塵フィルタを装備。ただし電源ユニットの内側に内蔵されているため、メンテナンスを行う際は、インナーシェルを引き出す必要がある。これは正直不便だ |
組み込みセッションを前に、付属品を総点検しておく。組み込みに必要なネジ類等を詰め込んだアクセサリBOX(茶箱)は、外装パッケージの上ぶたを開き、本体をサンドイッチした緩衝材の間に詰め込まれていた。さらにネジ類はAntecロゴ入りのアクリルBOXに収納されている。内部には仕切り板があり、ネジ類はひとまとめに梱包されているものの、事前に種類ごとに分ければ作業もしやすくなるだろう。
ちなみにアクセサリBOXにはネジ類だけでなく、着せ替え用クリスタルクリア・フロントパネルも同梱されている。BOX自体は実測で幅約215mm、長さ約385mm、厚さ約35mmと想像よりも大きい。
交換用前面パネルも同梱されるアクセサリBOX | ネジ類を仕切り板で分別できるアクリルBOX |
Antecカラーの面ファスナー | 冷却ファン固定用のネジは3基分が同梱 |
マザーボードトレイに備え付けのスタンドオフ予備 | 電源ユニット等を固定するインチネジ |
マザーボードやSSDを固定するミリネジ | 3.5インチHDD等を固定するインチネジ |
マニュアル |