エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1016
2021.06.28 更新
文:池西 樹(検証)/文・撮影:松枝 清顕(解説)
PCへの組み込み方法を確認したところで、ここからは「Liquid Freezer II – 360」の冷却性能をチェックしていこう。CPUにはIntelの最新フラッグシップCore i9-11900Kを使い、ストレステストは「OCCT 8.2.1:CPU:データセット大」と「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」の2種類。CPU温度およびファン回転数の取得は「HWiNFO64 v7.04」を使用し、Adaptive Boostを有効にした状態でも検証を行った。
第11世代Intel Coreプロセッサの最上位モデルCore i9-11900K。今回は定格に加え、最新ブースト機能「Adaptive Boost」を有効にした状態でも検証を行った |
CPU温度やファン回転数の取得には「HWiNFO64 v7.04」を使用した |
まず定格の温度を確認すると「OCCT 8.2.1」が75℃前後、消費電力が約20W増加する「CINEBENCH R23」でも概ね80℃前半で推移。最高温度も85℃、動作クロックもTurbo Boost 2.0の最大値である4.70GHzで安定しており、Core i9-11900Kの持つポテンシャルを十分に引き出すことができる。
続いてCPU温度を100℃まで許容するAdaptive Boost時の温度を確認すると、「OCCT 8.2.1」ではおおむね93℃~97℃で推移。途中何度か100℃に達することはあるものの、クロックもAdaptive Boostの最高値である5.10GHzを維持できている。ただし、より高負荷な「CINEBENCH R23」では一気に100℃まで上昇し、動作クロックも4.90GHz~5.00GHzまでしか上がらなかった。
ただし、これについては「Liquid Freezer II – 360」の冷却性能不足というよりは、Adaptive Boost機能の問題だろう。実際、筆者はこれまで360mmラジエターの水冷ユニット3台でAdaptive Boostを試しているが、「CINEBENCH R23」ではいずれも温度は100℃まで上昇し、5.10GHzを維持できた製品はなかった。
定格のファン回転数は「OCCT 8.2.1」で1,300~1,350rpm、ノイズレベルは暗騒音から+1.8dBAの33.7dBAまでしか上がらなかった。また定格の「CINEBENCH R23」や、Adaptive Boostを有効にした状態では、ファン回転数はいずれもほぼフル回転の1,700rpm前後まで上昇。ただしノイズレベルは最高36.1dBAで、バラック状態でも全くノイズが気になることはなかった。