エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1021
2021.07.14 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
eDRAMを内蔵していることもあり、内蔵GPUとしては良好なパフォーマンスを発揮したIntel Iris Plus Graphics 655。続いて、内蔵GPUにはやや重めのベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV︓漆⿊のヴィランズ」でも検証をしてみることにした。描画品質は“標準品質(ノートPC)”、解像度は1,920×1,080ドット、1,280×720ドット、1,024×768ドットの3種類を選択している。
1,920×1,080ドットではぎりぎり“普通”判定で、実際のゲームはやや厳しい印象。一方、1,280×720ドットや1,024×768ドットでは“快適”判定を獲得。ちなみに1,024×768ドットでは画質設定を1段上の“高品質(ノートPC)”にしてもスコアは約2,900ポイント、判定は“やや快適”を維持しており、解像度を調整すればやや重い「ファイナルファンタジーXIV︓漆⿊のヴィランズ」でも十分楽しむことができる。
続いて消費電力と本体の発熱をチェックしておこう。ストレステストには「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を使い、負荷をかけた状態を高負荷時、起動直後10分間放置した状態をアイドル時として測定した。
アイドル時:キーボード部分のサーモグラフィ結果 | アイドル時:裏面のサーモグラフィ結果 |
高負荷時:キーボード部分のサーモグラフィ結果 | 高負荷時:裏面のサーモグラフィ結果 |
消費電力はアイドル時が10W前後、高負荷時でも35W前後までしか上がらず、薄型ノートPCらしく省電力性能は優秀だ。またサーモグラフィーの結果を確認すると、高負荷時には排気口のあるヒンジ中央部分は57℃まで上昇している。一方、手が触れるキーボード面や、足にのせて使用する時に触れる底面部分はいずれも50℃以下。実際に使っていても不快に感じることはなかった。
最後に「PCMark 10:Battery:Modern Office」を使い、バッテリ駆動時間を計測しておこう。輝度は最小設定で、電源モードは“最大のバッテリー残量”を選択している。
比較的ライトな負荷をかけるテストということもあり、結果は公称駆動時間(8時間)を超える8時間40分だった。複数のソフトを起動して作業するようなシーンではこれより短くなるだろうが、外出先でネットを確認したり、Wordで文章を作成するような作業であれば終日の外出でもACアダプタを持ち運ぶ必要はないだろう。
CPUを第7世代のCore i5-7267Uから、第8世代のCore i5-8259Uへと変更し、リニューアルされた新生「CoreBook X」。メモリ容量が半分になり、増設用のM.2スロットも省略されるなど、残念ながら完全なアップグレードモデルとは言えないところもある。特にメモリについては、増設用のスロットは用意されているので、裏面パネルを開けることなくアクセスできるようにして欲しかった。
とは言え、気になる欠点と言えばこのぐらい。液晶パネルは広視野角なIPS方式で、発色や視認性も良好。そしてスペースグレーの落ち着いたデザインのアルミニウム筐体は、実際に触ってもチープな印象をうけることはなかった。
さらに最大の特徴でもあるCore i5-8259Uは、3世代前の製品ながらパフォーマンスはなかなかのもの。高いブーストクロックと、従来の2倍のコア数により、シングルスレッド、マルチスレッド処理とも、ストレスなく実行することができる。
最近では税込3万円前後の安価なノートPCが充実しているが、それらで使用されているAtom系列のプロセッサはパフォーマンス面に不安が残る。それならもう少し予算を追加して「CoreBook X」を購入したほうが、結局は満足行く結果になるはずだ。
協力:CHUWI