エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1022
2021.07.15 更新
文:撮影・こまめ
ディスプレイは16型で、解像度としては2,560×1,600ドットのWQXGAと、1,920×1,200ドットのWUXGAが用意されている。リフレッシュレートはWQXGAが165Hzで、WUXGAが144Hzだ。165Hzと144Hzの違いはわずかだが、eスポーツレベルのプレイを重視するのであればスペックの高いほうを選ぶべきだろう。ちなみに40代後半の筆者の場合だと120Hzと144Hzの違いはハッキリとわかるのだが、165Hzと144Hzでは165Hzのほうが気持ちなめらかぐらいにしか判別できなかった。
「ROG Zephyrus M16 GU603」のデスクトップ | リフレッシュレートは165Hzまたは144Hz |
アスペクト比は16:10で、一般的な16:9よりも縦方向に長い。そのぶん文書の表示行数が増えるので作業用ノートPCでは人気が高いが、ゲーミングノートPCではメリットはそれほどないように感じる。たとえば16:9以外のアスペクト比に対応していないゲームだと画面が横方向に潰されたように表示されたり、画面の上部に黒い帯が表示されたりというケースがあった。また16:10に対応しているタイトルでは両脇がカットされたように表示されるため、視界が狭まるデメリットがある。
16:10表示の場合の画面(左)と、16:9の画面を16:10で表示したときの画面(右)。映像ソースが16:9だと、横方向につぶれて表示される |
16:10非対応のタイトルではアスペクト比が変わらないよう、画面の上下に黒い帯付きで映し出される場合がある |
16:10(左)と16:9(右)の視界の違い。16:9のほうが横長のぶん視界が広い |
2,560×1,600ドットと1,920×1,200ドットの解像度の違いは、映像の美しさ程度でしか変わらなそうだ。高解像度のほうが精細に映し出されるため映像がきめ細やかに見えるが、見えなかったターゲットが見えるようになるわけではなかった。
2,560×1,600ドットの映像(左)と1,920×1,200ドットの映像(右)の拡大図。2,560×1,600ドットのほうが精細だが、劇的に変わるほどではない |
高解像のディスプレイが本領を発揮するのは、ゲームではなくクリエイティブワークにおいてだろう。映像が高精細であれば写真や動画が、細部のディティールまでハッキリと確認可能だ。また画面が縦方向に長ければ、クリエイター向けソフトでサイダパネルやサムネイルの表示領域が増えるメリットもある。
実際色域はかなり広く、公称スペックではsRGB 100%、DCI-P3 100%とされている。DCI-P3はApple製品でも対応しており、一般的なsRGBに比べて鮮やかな色の表現が可能だ。ゲームや映像を鮮やかな色合いで楽しめるほか、映像制作にも向いている。
映像は鮮やかで、一般的なノートPCで使われているパネルよりも特に赤系が十分に出ている | キャリブレーターで計測したところ、カラープロファイル「Default」時はsRGBカバーが97.6%でsRGB比が111.3%、Adobe RGBカバー率は78.3%でAdobe RGB比は82.5%だった |
標準収録のシステム設定ユーティリティ「Armoury Crate」を利用すれば、パフォーマンスやシステムのチューニングなどさまざまなカスタマイズが可能だ。キーボード上部のボタンを押すだけで、手軽に起動可能。「ROG Zephyrus M16 GU603」の機能や性能を最大限に引き出すためにも、積極的に活用したい。
「ホーム」ではパフォーマンスモードを切り替えられるほか、システムのモニタリングも可能 | 各種設定を「シナリオプロファイル」として保存すれば、ゲームや用途に応じて手軽に切り替え可能だ |
「GameVisual」ではカラープリセットの切り替えやディスプレイの色校正(キャリブレーション)を行なえる |
「システム」ではキーボードや対応周辺機器のライティング設定を行なえるほか、リソースモニターも用意されている |