エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1027
2021.07.25 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
テストセッションのラストは、20mm口径の超小型ブロワーファンを搭載する「HyperDisk X」の冷却システムの実力をチェックしていこう。負荷テストは「CrystalDiskMark 8.0.1」のデータサイズ64GiB、テスト回数9回を3回連続で実施して、転送速度とSSD温度を計測した。
なお今回は変換チップを使用しているせいか「HWiNFO64」で温度取得ができなかった。そのため温度計測には「CrystalDiskInfo 8.12.0」(自動更新機能)を使用している。自動更新の間隔が最短でも1分と長いため、従来の検証より精度は低くなるが、おおよその傾向は把握できるだろう。
アイドル時の「CrystalDiskInfo 8.12.0」の結果。温度はおおむね44~47℃で推移していた | 高負荷時の「CrystalDiskInfo 8.12.0」の結果。高負荷時には64℃まで温度が上昇 |
アイドル時の温度は44~47℃、高負荷時でも64℃で頭打ち。転送速度の推移を見てもサーマルスロットリングと思われる症状は発生しておらず、SSDのパフォーマンスを十分引き出すことができている。ただしファンのノイズは最高42.9dBAでやや高め。また口径が小さく、回転数も高いため高周波のノイズが発生し、ノイズレベルが同程度のCPUクーラーやVGAクーラーに比べるとやや耳障りに感じた。
アイドル時のサーモグラフィー結果 | 高負荷時のサーモグラフィー結果 |
そしてサーモグラフィーの結果を確認すると、高負荷時にはトップカバー部分の温度は平均で約4℃上昇。コントローラやNANDフラッシュから発生した熱は、サーマルパッドを経由してトップカバーに効率よく移動できているようだ。
先代モデル「HyperDisk」からさらなる小型化を実現した「HyperDisk X」。特に横幅は約14mmも小さくなり、ズボンのポケットに入れた場合でもほとんど違和感なし。筐体も肉厚のアルミニウム製のため別途ケースなどを用意することなく手軽に持ち運ぶことができる。
そして小型化によって心配していた冷却性能についても大きな問題はない。ファンのノイズはやや耳障りだが、サイズとのトレードオフと考えれば許容範囲。パフォーマンスもUSB3.1 Gen.2の限界に迫り、高解像度の動画や画像データなどもストレスなく転送することができる。
さらにポータブルSSDでは珍しくSSDの換装にも対応し、容量が不足した場合のアップグレードパスが用意されているの大きなポイントだ。最近ではPCはもちろんゲーム機でもUSB3.1(3.2) Gen.2に対応した製品が増えており、これからポータブルSSDの購入を検討しているなら万人にオススメできる製品だ。
協力:MadSpace Japan