エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1029
2021.07.28 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
内外装のチェックでは、比較的クセのない完成されたCooler MasterのミドルタワーPCケースという印象を受けた。そんないいイメージのまま、ここからは実際に構成パーツを取り付け、順を追ってPCを1台完成させてみよう。制限付きながらE-ATXにも対応する広い内部には、ハイエンド志向の大型パーツも搭載できる。収納力の高さが特徴とあって、それ相応のハイエンド系パーツを集めた。
まずはマザーボードを搭載してみよう。検証にはGIGABYTE「B550 VISION D」を用意。派手さはないものの、クリエイター向けとしてクールな配色が特徴の1枚だ。
マザーボードの搭載には、予め装着済みのスタンドオフ(台座)に、ワッシャー付きインチネジを使い全9箇所を固定していく。左側面は開口部が広く、作業を妨げるものがないため、使用する工具も一般的なプラスドライバー1本で事足りる。なおATX規格(305x244mm)マザーボード搭載後のクリアランスは、トップパネルまでが実測約60mm、フロントパネルまでが実測約165mmだった。なお、フロントパネルに冷却ファンやラジエターをマウントする場合は、前方約165mmのスペースを利用する事になる。
このように左側面の開口部は十分だが、ネジ2本で固定されたトップパネルを取り外すとさらに開放的になる。このスタイルで組み込み作業ができることで、ユーザー負担は格段に軽減される。CPUクーラーやウォーターブロックは取り付けやすいし、ATX12V電源ケーブルのコネクタが挿さらず、せっかく取り付けたマザーボードを外すといった、なんとも形容しがたい脱力感を味わうこともない。
マザーボード搭載後は、CPUクーラーの有効スペースを計測しておこう。例によって、CPUの上にレーザー距離計を置き、強化ガラス製サイドパネル内側に貼り付けたマーカーまでの数値をチェックすると、170mmを示した。メーカー公称は165mmだが、多少の余裕はあるという事だろう。これなら中型以上のサイドフロー型CPUクーラーも搭載できる。
次にマザーボードトレイ背面から、CPUクーラーメンテナンスホールの開口部も見ておく。カットサイズは実測で幅約165mm、高さ約145mm。AMD Socket AM4標準のバックプレートは露出できており、きちんと用をなしている事が分かった。
次なる作業は電源ユニットだ。ボトムカバー内後方にマウントする電源ユニットは、検証用としてCooler Master「V750 GOLD V2」を用意した。135mmファンを搭載する80PLUS GOLD認証フルモジュラータイプで、奥行きは160mmだ。ちなみに有効スペースは公称180mm(ケージタイプのシャドウベイユニット非搭載時は公称295mmまで延長)で、計算上は20mm余る事になる。
インストールは右側面のボトムカバー開口部より滑り込ませ、背面のネジ穴に合わせて計4本のインチネジで固定する。最もベーシックな固定方法で解説不要だが、ポイントとしてフルモジュラー式電源ケーブルは、予め必要本数を接続しておくこと。隣接するシャドウベイユニットまでのストロークを考慮すれば、シャーシへの固定後はモジュラーコネクタの抜き差しが容易ではない事が想像できる。
ボトムカバー左側面には、電源ユニットの銘柄がアピールできる小窓(実測幅約129mm、高さ約65mm)を用意。底面吸気ファンと通気孔の位置関係も確認しておこう |
奥行き160mmの電源ユニットに対し、シャドウベイユニットまでは実測で約70mmの空きが確認できる。さらにシャドウベイユニットを構成する右側のプレートを外せば、実測で約185mmまで空きスペースは拡大する |