エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1033
2021.08.06 更新
文:撮影:松枝 清顕(解説)/ 検証セッション:池西 樹
最後に非接触型デジタル温度計によるヒートシンクのポイント別温度と、サーモグラフィの結果を確認していこう。ストレステストは「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」、CPUはCore i9-11900Kで、「Adaptive Boost」を有効にした状態で計測をしている。
高負荷時のポイント別温度計測結果 |
アイドル時のサーモグラフィ結果 | 高負荷時時のサーモグラフィ結果 |
両面にはファンを、トップにはカバーを搭載しているため、CPU直上と側面のみの計測だが、CPU直上が最も高く、CPUから離れるに従って温度が低くなる順当な結果。またサーモグラフィの結果を確認すると、アイドル時はヒートシンクの温度が30℃前後なのに対して、高負荷時は35℃前後まで上昇している。このことから高負荷時にはCPUの熱がヒートシンクに効率的に移動できていることがわかる。
カラーの変更は好みの問題だけに、その判断は読者に委ねるとして、冷却機器としてのパフォーマンスだけに絞ってみたい。「AS500」のシングルファンから、デュアルファン仕様となった「AS500 PLUS WH」。単純に売価の差は冷却ファンの追加分がほとんどだが、注目点はそれが相応の価値があるのか。今回は3つのCPUで冷却テストを行ったワケだが、「AS500」検証で実施したAMD Ryzen 9 5950Xとの比較では、ハッキリと性能が数値に表れている。
結果は両者を見比べれば一目瞭然だが、編集部検証担当も冷却性能でおよそ10~15%の向上、特筆すべきは冷却ファンの回転数が低く、低ノイズで運用できる事を挙げている。「AS500」の所有者なら別途冷却ファンを用意し、付属のワイヤークリップで固定するだけの作業で恩恵が受けられる。魅せるPCでカラーにこだわりたければ、迷わず「AS500 PLUS WH」をカートに入れるだけだ。
「AS500」がロングセラーになりつつある現在、さらなる性能向上と時流に乗ったカラーの追加は、心憎い戦略と言えよう。これに乗るか否かはユーザー次第。果たして熱心な自作派たちの食指は動くだろうか。
協力:Deepcool Industries
株式会社アユート