エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1037
2021.08.12 更新
文:藤田 忠/撮影:編集部・松枝 清顕
ここでは、「X570S UD」が搭載しているUEFI BIOSを確認していこう。マウスで操作できるグラフィカルなUIを採用した簡易モードの「Easy Mode」と、詳細カスタマイズできる「Advanced Mode」を切り替えることができる。
さまざまなカスタマイズが行えるUEFI BIOSだが、最大のトピックはバージョンアップしたファンコントローラ機能「Smart Fan 6」になるだろう。ファン制御はデフォルトの「Normal」のほか、「Silent」「FullSpeed」「Manual」が選べる。
ファン制御のソース温度の指定や、セミファンレス動作の設定など、非常に多機能かつ使いやすかったが、さらに磨きがかかり、温度上昇にともない徐々にファン回転数が変化するこれまでの線形モード「Slope」に加えて、設定温度間では一定の回転数になる非線形モード「Stair」が選択可能になっている。冷却と静音性にこだわりたいユーザーは注目だろう。
頻繁に行う設定ではないが、同様の設定は「System Information Viewer(SIV)」を使うことでWindows上からも行うことができる点もポイントだ。
XMPプロファイルの適用など、必要最低限な設定を簡単に行える「Easy Mode」 |
メモリタイミングの調節や、メモリのSPDに記録されている情報の確認を行える |
使いやすさと機能に定評のあるGIGABYTEファンコントローラ機能「Smart Fan 6」 | 「Manual」で好みのファン回転数に設定することができる。また、下部の枠に直接数値を入力して設定することもできる |
設定温度間は一定の回転数になる非線形モードの「Stair」を選べるようになっている | システム情報の確認や、ファン回転数のカスタマイズが行える「System Information Viewer(SIV)」 |
ワンクリックでファンの動作モードを設定できる | UEFI BIOSと同じく、手動でこまかく設定することができる |
「System Information Viewer(SIV)」は、各部の温度や電圧のログを記録する機能も備わっている |
ピーク7GB/secクラスの性能を発揮するPCIe4.0 SSDの運用に欠かせないM.2ヒートシンク |
PCI-Express4.0対応NVMe M.2 SSDには欠かせないM.2ヒートシンク。ここでは「X570S UD」のCPU直結M.2スロットに装備されているアルミニウムM.2ヒートシンク「M.2 Thermal Guard」の冷却性能をチェックしていこう。M.2 SSDには、PCI-Express4.0対応に対応するWestern Digital「WD_BLACK SN850」シリーズの2TBモデルを使用。ストレステストは「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiB、テスト回数9回に設定。3回連続で実行し、その温度(室温28℃程度)と転送速度の推移を「HWiNFO64Pro」を使い記録している。
リード7GB/sec、ライト5.1GB/secの性能を発揮するWestern Digital「WD_BLACK SN850」の2TBモデルを使用 | M.2ヒートシンクを装着した状態の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
非装着状態時の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
CPUクーラーにCPUソケット周辺にエアフローを生まない簡易水冷ユニットを使っているため、M.2ヒートシンクを装備した状態でも、最高温度は87℃に達しているが、公称値通りのシーケンシャルアクセス性能を発揮している。CPUクーラーや、PCケースのエアフローで異なるが、M.2 SSD周辺にほとんどエアフローのない検証マシンでもサーマルスロットリングによる速度低下は確認できないので大丈夫だろう。また、ヒートシンク非装着時は、テスト後半で90℃台に到達。サーマルスロットリングによる速度低下を確認できる。
テストと同じようにデータを連続書き込みすることは希になるが、エアフロー少ない今回の環境でも、「M.2 Thermal Guard」は、しっかりと放熱出来ていると言えるだろう。