エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1039
2021.08.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
パフォーマンスの検証が完了したところで、最後に「M10P」シリーズの発熱をチェックしていこう。テスト用のSSDは「PX-2TM10PGN」「PX-2TM10PG」「PX-2TM10PY」の3種類全てを使い、「PX-2TM10PGN」では「MPG S570 GAMING PRO CARBON WIFI」に標準装備されているヒートシンクを搭載した状態でも計測を行った。なおストレステストは「CrystalDiskMark 8.0.4」を使い、データサイズ64GiB、テスト回数9回を3回連続して実行するかなり重い負荷をかけている。
「PX-2TM10PGN」ヒートシンクなし | 「PX-2TM10PGN」ヒートシンクあり |
「PX-2TM10PG」 | 「PX-2TM10PY」 |
ヒートシンクなしの「PX-2TM10PGN」では、テスト開始直後から一気に温度が77℃まで上昇。その後はサーマルスロットリング機能によってパフォーマンスを抑えることで、温度上昇を防いでいる。一方、「PX-2TM10PGN」にヒートシンクを搭載した状態や「PX-2TM10PG」「PX-2TM10PY」ではいずれもサーマルスロットリングが解消され、SSDの持つパフォーマンスを最大限に発揮することができる。特にHHHL形状の「PX-2TM10PY」の冷却性能は素晴らしく、温度は最高でも53℃までしか上がらなかった。
「PX-2TM10PGN」:ヒートシンクなし:アイドル時のサーモグラフィ | 「PX-2TM10PGN」:ヒートシンクなし:高負荷時のサーモグラフィ |
「PX-2TM10PGN」:ヒートシンクあり:アイドル時のサーモグラフィ | 「PX-2TM10PGN」:ヒートシンクあり:高負荷時のサーモグラフィ |
「PX-2TM10PG」:アイドル時のサーモグラフィ | 「PX-2TM10PG」:高負荷時のサーモグラフィ |
「PX-2TM10PY」:アイドル時のサーモグラフィ | 「PX-2TM10PY」:アイドル時のサーモグラフィ |
続いてサーモグラフィの結果を確認すると、「PX-2TM10PGN」はアイドル時でも最高72.7℃、高負荷時は96.0℃に達するところもあり、何らかの熱対策は必須と言って良さそうだ。また「PX-2TM10PY」では、高負荷時でもヒートシンク全体の温度がかなり低く抑えられており、冷却性能にはまだかなり余力が残されている事がわかる。
今回の撮って出しレビューでは、PLEXTORブランド初のPCI-Express4.0(x4)対応SSD「M10P」シリーズを検証してきた。転送速度については、インターフェイスの限界に迫るシーケンシャル読込をはじめ、いずれも公称値通りのパフォーマンスを発揮。ライバルとなる、他社のいわゆる第2世代PCI-Express4.0(x4)SSDモデルとも十分に渡り合うことができる。
またコントローラがMarvellからInnoGritに変更されている点を不安に思う人もいるだろうが、安定性を重視した作りはこれまで通り変わらず。データのサイズや圧縮率の影響をほとんど受けることなく、常に一定のパフォーマンスが期待できる。
用途に合わせて、ヒートシンクの有無やフォームファクタを選べるのも「M10P」シリーズの魅力。さらにRocket LakeからはIntel環境でもPCI-Express4.0が利用できるようになり、プラットフォームの選択肢も広がった |
ハイエンドNVMe SSDらしく発熱の問題はどうしても避けられないが、これも通常の冷却システムで十分対応できる範囲。特に「PX-2TM10PY」の冷却性能は秀逸で、拡張スロットの問題が解決できるなら強くオススメする。
協力:PLEXTOR
株式会社アユート