エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1040
2021.08.19 更新
文:撮影:松枝 清顕(解説)/ 検証セッション:池西 樹
先日お届けした真っ白なCPUクーラーから一転。今度はブラックカラーに統一し、LED発光機能を搭載しない硬派なサイドフロー型CPUクーラーがZALMANから登場。国内代理店の株式会社アスク(本社:東京都千代田区)から、いち早く評価サンプルが届けられた。
ZALMAN「CNPS10X PERFORMA BLACK」 市場想定売価税込5,500円前後(2021年7月30日発売) 製品情報(ZALMAN / 株式会社アスク) |
7月30日より国内市場の店頭に並んだ「CNPS10X PERFORMA BLACK」は、ZALMAN伝統の”CNPS型番”が付く最新作。ちなみに2010年2月には「CNPS10X Performa」が発売されているが、型番こそ酷似しているものの、製品としてはまったくの別物で、共通点は冷却スタイルがサイドフロー型CPUクーラーというだけだ。さらにややこしいのが、2021年6月には「CNPS10X OPTIMA II RGB」が発売されているが、これも僅かな共通点(ダイレクトタッチヒートパイプ4本仕様+サイドフロー型)だけで、別物と考えていい。
つまり「CNPS10X PERFORMA BLACK」は、ベースモデルあってのブラック仕様ではなく、歴とした新設計のCPUクーラーになるようだ。ZALMANのネーミングは難解で、伝統の”CNPS型番”を正確に理解できる人は恐らく代理店にもいないだろう。
縦長のパッケージは実測で幅210mm、長さ110mm、高さ250mmで、当然ながらブラック基調 |
なおスペック表は以下通りで、対応ソケットはIntel LGA 2066/2011-3/2011/1200/115x、AMD Socket AM4。外形寸法は幅135mm、奥行き95mm、高さ155mmで、重量は冷却ファンを含み約860g。また対応TDPは180Wとされる。
テーマはブラックだ。発光パーツで装飾せず、精悍で硬派なスタイルと形容したが、代理店曰くブラックメッキ加工を施すことで、熱伝導率にも優れるとアピールしている。このフレコミ自体はさておき、ブラック基調のパーツを集める事で、より統一感のあるPCを組み上げる事ができる。
本体をぐるりと眺めてみると、なるほど冷却ファンやヒートシンクはもとより、ヒートパイプや受熱ベースプレートの露出部分(CPU接触部以外)にいたるまで全てがブラック。冷却ファン中央には「Z」の文字がデザインされ、ヒートシンクトップ部には「ZALMAN」のロゴがブランドを主張している。
唯一、冷却ファンを固定するワイヤークリップは素材地の銀色。先に検証したホワイトカラーのCPUクーラーもそうだったが、ワイヤークリップ色までにはこだわりが及ばないようだ。
全体をくまなくチェックしたところで、次のページからはブラックメッキ加工済みのヒートシンクにスポットをあてる。なおまったくの余談だが、パッケージには未だにブリスターが使用されている。このスタイルは、扇状やラウンド形状で一世を風靡したZALMAN「CNPS」シリーズのそれで、ひとつの特徴とも言える。とは言え、昨今の自作PC市場でも環境への配慮から、ブリスターパッケージは徐々に廃止の方向にある。製品の善し悪しにはまったく関係ないものの、そろそろ改良の声を代理店やユーザーから出てもいいのではないだろうか。