エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1043
2021.08.25 更新
文:撮影・こまめ
ディスプレイは16型で、解像度は2,560×1,600ドットのWQXGAだ。アスペクト比は16:10で、一般的な16:9に比べて縦方向にやや長い。そのぶん文章やサムネイル、サイドパネルなどの表示領域が広がるので、作業効率がアップするだろう。劇的に増えるわけではないが、多少なりとも手間が減るのは非常にありがたい。
縦方向に長いアスペクト比16:10の16型ディスプレイ | 縦向きのパネルやサムネイルの表示領域がわずかに増えるので作業しやすい |
「Creator Z16 A11U」はクリエイター向けノートPCだけあって、ディスプレイの色域が広い。公式スペックによるとDCI-P3相当で、色差はΔE<2。ディスプレイは工場出荷時にキャリブレーションが行なわれており、プロ向けのキャリブレーションシステムを開発するCalMANの認証を取得している。表示モードは標準収録ソフト「MSI True Color」で手軽に変更可能だ。
標準収録の「MSI True Color」でカラープリセットを手軽に変えられる | キャリブレーターがあれば、キャリブレーション(ディスプレイの色調整)が可能だ |
実際にキャリブレーターで色域を計測したところ、DCI-P3カバー率は97.6%(表示モード「DCI P3」)、AdobeRGBカバー率は93.1%(表示モード「AdobeRGB」)だった。明るさ最大時の画面の輝度は361nitだ。映像は色のバランスがよく鮮やかで、一般的なsRGB 100%のディスプレイでは映し出されない色がしっかり出ている。これだけのクオリティであれば、プロレベルのクリエイティブワークにも利用できるだろう。
DCI-P3カバー率は97.6% | AdobeRGBカバー率は93.1% |
表示モード「sRGB」の映像 | 表示モード「AdobeRGB」の映像 |
表示モード「DCI-P3」の映像 | 表示モード「Display-P3」の映像 |
ちなみにリフレッシュレートは120Hzだ。「Creator Z16 A11U」は本来ゲーム向けではないが、人気ゲームをなめらかな動きで楽しめる。ただし高いリフレッシュレートは必ずしもゲームだけのものではなく、普段の作業でも有用だ。たとえばページのスクロールや画面ズーム時のアニメーション、オブジェクトの移動などもなめらかな動きで描かれる。このなめらかさを実感すると、これまで60Hzで気がつかなかったストレスに気付かされるだろう。
高リフレッシュレートのなめらかな動きはカーソルやスライダーの操作、画面のスクロールなどでも実感できる |