エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1043
2021.08.25 更新
文:撮影・こまめ
ここからは「Creator Z16 A11U」のベンチマーク結果を交えながら、実際のパフォーマンスについて解説する。スペックをおさらいすると、CPUはIntel Core i9-11900Hでメモリ容量は32GB、ストレージは1TB PCI-Express4.0 M.2 SSD、グラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 3060だ。
なおベンチマークテストの実施あたりWindows 10の電源プランを「バランス」に設定し、電源モードを「最も高いパフォーマンス」に設定。さらに「MSI Center Pro」の「Performance Optimizer」で動作モードを「ハイパフォーマンス」に変更した上で、空冷ファンを最大出力で動作させる「Cooler Boost」を有効にしている。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングなどで大きく変わることがあるため、あくまで参考値として考えていただきたい。また文中で触れている他パーツとの比較値は、筆者調べによるものだ。
まずはCPU性能を計測する「CINEBENCH R15」および「CINEBENCH R20」の結果から。
「Creator Z16 A11U」では、Intel Core i7-11800HまたはIntel Core i9-11900Hが使われている。どちらも、8コア/16スレッドのCPUだ。Core i9-11900H搭載の評価機では、Core i7-11800Hを搭載した他機種に比べて低いスコアが出ている。おそらくこれは内部の熱を抑えるために、あえてパフォーマンスを落としているのだろう。Intel Core i7-11800H搭載モデルであれば、スコアはさらに低いはずだ。
しかしこれだけの薄さを実現するのであれば、この結果も仕方がない。むしろこの薄さでこれだけの性能を発揮するには、Core i9-11900Hが必要とも考えられる。
ストレージとしては、1TBのPCI-Express4.0 M.2 SSDが使われている。評価機でアクセス速度を計測したところ、シーケンシャルリードで6,508MB/秒と非常に優秀な結果だった。シーケンシャルライトも4,200~4,900MB/秒前後と超高速だ。しかしデータサイズを64GiB、テスト回数を「9回」に変えて計測を3回連続で行なってSSDに高い負荷をかけたところ、アクセス速度の低下が見られた。サーマルスロットリングの影響だと思われるが、よほど大容量のデータを長時間書き込み続けない限り、体感的には変わらないだろう。
「CrystalDiskMark 8.0.3 x64」による1TB PCI-Express4.0 M.2 SSDのアクセス速度計測結果。左が通常時で、右が高負荷時 |
3Dベンチマークソフト「3DMark Version 2.19.7225」から、DirectX 12のパフォーマンスを計測する「Time Spy」の結果は以下のとおり。
2,560×1,440ドット時のパフォーマンスを計測する「Time Spy」では総合スコアが「6834」とあまり振るわなかったが、解像度が1920×1080ドットのフルHD前後であれば問題ないはずだ。「Time Spy Extreme」は4Kでのテスト結果なので、スコアが低くても気にする必要はない。ただし全体的にスコアが低く、同じNVIDIA GeForce RTX 3060の平均値を下回っている。CPUのベンチマークテストと同様、熱対策としてパフォーマンスが抑えられているのだろう。