エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1048
2021.09.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 Tawashi/撮影:pepe
製品の概要チェックから検証機の確認まで終わった。いよいよ実動テストを始めていこう。まずはパネルの映り具合をチックしていく。
「ROG Strix XG279Q-G GUNDAM EDITION」は、ゲーミング向けに応答速度を高めたASUS独自のFast IPSパネルを採用、178°の視野角で角度による画質変化に強く、色域はsRGB130%、DCI-P3は95%のカバー率を誇るハイエンドモデルだ。さらに輝度も400cd/㎡と明るいため、太陽光が差し込むような日中の使用でも視認性が高い。ただしフレーム端の四隅はやや輝度が低下するのと、フレーム枠が白いことから角度によっては暗いシーンで下部フレームの反射が気になるかもしれない。
OSDの操作は上下左右と押し込みに対応するジョイスティックを操作する。メニュー構造はASUSゲーミング液晶のデザインを踏襲しており、機能別にグループ分けされた項目が分かりやすく直感的な操作をアシストする。デフォルト設定では英語表示になっているが、もちろんメニューは日本語表示にも対応している。
明るい部分の露出を抑え、暗い部分を明るく明瞭にする「Dynamic Shadow Boost」は、デフォルト設定では「None(OFF)」となっており、「Level 1」、「Level 2」、「Level 3」、さらに動的制御の「Dynamic Adjustment」に対応する。ゲームや動画観賞時の暗いシーンも、作品の雰囲気をそのままに視認性を改善することができる。
次にリフレッシュレートの違いを体感するために、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、リフレッシュレート60Hz/120Hz/144Hz/170Hzでそれぞれの違いを比較する。テストではディスプレイ同期を有効化し、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
144Hzのリフレッシュレートで十分に速いと感じながらも、オーバークロックのリフレッシュレートで実現可能な170Hzを一度体験してしまうと、その驚異的な滑らかさに元には戻れなくなってしまうほどだ。170Hz駆動では文字通り流れるような画面更新で残像感が極めて抑えられており、破綻もなくシャープで非常に鮮明な画質を実現している。
続いてリフレッシュレートを170Hzに固定した状態で、ASUSのモーションブラー低減技術でおなじみの「EXTREME LOW MOTION BLUR」と、可変リフレッシュレート型同期機能「NVIDIA G-Sync」の同時利用を可能にした上位機能「EXTREME LOW MOTION BLUR SYNC」の効果をチェックしよう。さきほど同様にデジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
「EXTREME LOW MOTION BLUR SYNC」をONにすると、画面更新時に黒フレームが挿入されるため全体的にやや輝度が低下する。黒フレームの挿入によりごくわずかではあるが残像が見えにくくなり、結果として残像感が減ったと感じることができるだろう。ただし「EXTREME LOW MOTION BLUR SYNC」を有効とするとスロー再生ではゴーストの発生が確認できる。さすがに肉眼ではゴーストを視認することはできないが、プレイする環境やゲームタイトルに合わせて効果を確認すると良いだろう。
「ROG Strix XG279Q-G GUNDAM EDITION」は「ROG Strix XG279Q」を“ガンダム仕様”にカスタマイズしたゲーミング液晶ディスプレイだ。検証結果でも明らかのように、オーバークロックによって実現する最大170Hzのリフレッシュレートは、FPSやTPS、MMORPGに至るまで、動きの激しい映像もなめらかにクッキリと表示。あらゆるジャンルのゲームを楽しむことができる。
また、解像度はFHD(1,920×1,080ドット)を上回るWQHD (2,560×1,440ドット)に対応。「ゲームも楽しみたいが綺麗な映像をより高解像度で味わいたい」というちょっと欲張りなニーズにも応えることができる。最近ラインナップを増やしつつある4K(3,840×2,160ドット)対応液晶ディスプレイだが、性能を引き出すにはハイエンドなPC環境が必要。その点、WQHD解像度ならば現在販売されているミドルレンジクラスのグラフィックスカードで十分。無理なく満足度の高いプレイ環境を構築しつつ、結果的にトータルコストを抑えることも可能だ。
「機動戦士ガンダム」コラボのデザインについては言わずもがな。これはもう完全にガンダム好きなマニアのための製品であり、長年のファンも納得の見事な仕上がりだ。価格的にもベースモデル「ROG Strix XG279Q」(実売価格約67,000円/2021年8月現在)とそれほど変わらない点が嬉しい。最近主流の27型ゲーミング液晶ディスプレイが欲しいと考えているガンダム好きな諸兄には、ぜひともゲットしてほしい製品だ。
協力:ASUS JAPAN株式会社