エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1049
2021.09.06 更新
文:撮影・松枝 清顕(解説)/ 検証セッション・池西 樹
ホワイトカラーパーツがにわかにブームだ。白色パーツの記事を掲載すると、明らかにアクセスが上昇。SNS上でも話題になりやすい。一方でブラックカラーパーツも徐々に増え始めている事にお気づきの読者もいるだろう。ホワイトに比べれば”何をいまさら”と思われるだろうが、すみずみまでブラックにこだわった、オールブラックカラーパーツは、イルミネーション非搭載派をはじめ、多くの自作PCユーザーから改めて注目が集まっている。
今回検証するCooler Master「MasterAir MA624 Stealth」は、全身をブラックで統一した”ブラックプレミアムな空冷CPUクーラー”で、派手な主張は必要とせず、PCケース内部で高レベルの冷却を行う様がまさに”ステルス(Stealth)”と言えよう。
Cooler Master「MasterAir MA624 Stealth」(型番:MAM-D6PS-314PK-R1) 市場想定売価税込15,280円(2021年7月2日発売) 製品情報(Cooler Master Technology) |
最も外観をアピールしたいサイドフロー型CPUクーラーにも思えるが、売価税込約15,000円からも想像できる超ハイエンド志向。デフォルトではツインタワー型ヒートシンクの間に140mmファンを挟み、さらに外部に140mmファンを搭載。大風量をヒートシンクに送り込み、素早く放熱させようという設計だ。
昨今のCPUクーラー事情といえば、オールインワン型水冷ユニット(AIO水冷)が中心に思われがちだが、冒頭でも触れたように空冷CPUクーラー人気もにわかに上昇ムード。エルミタでも取り上げる機会が増えており、検証オファーも後を絶たない。このままAIO水冷に押し切られるのかと危ぶむ声もあったが、まだまだどころか、俄然空冷は元気なのだ。
このように足元までブラックな「MasterAir MA624 Stealth」。にわかホワイトブームの次は、オールブラックが流行の兆し? |
詳細検証を行う前に、「MasterAir MA624 Stealth」のパッケージ、さらにスペック表から製品概要を確認しておこう。空冷CPUクーラーらしからぬ巨大なパッケージは、実測で幅250mm、奥行き190mm、高さ240mm。Cooler Masterのコーポレートカラーである、ブラックとパープルの2色でデザインされたBOX表面には製品画像。背面には製品概要、側面にはSpecification(仕様)一覧がそれぞれ記されている。購入前、店頭で製品のおおよそを把握するには十分だろう。
対応ソケットはIntel LGA2066/2011-3/2011/1366/1200/1156/1151/1150。AMD Socket AM4/AM3(+)/AM2(+)/FM2(+)/FM1。およそ現役のCPUなら搭載できるというワケだ。
さてパッケージが巨大なら、本体もそれなりに大型である事は容易に想像できるだろう。140mmファン2基のツインタワー型ともなればなおさらだ。詳細を確認すると、幅153.2mm、奥行き144.9mmで、高さは160mmとされる。一般的なサイドフロー型CPUクーラーは、隣接するメモリスロットを避ける設計が多いため、ここまで大きくはならないが、その分「MasterAir MA624 Stealth」の冷却能力の高さに期待ができる。ちなみに高さは160mmに抑えられ、筆者の想像よりも低く設計されている印象。大型には違いないが、多くのPCケースに収める事ができる汎用性が考慮されての事だろう。(しかしこの見解には注釈が必要。後ほど詳しく解説する)
その他、スペック表に記されている項目については、検証を進めながら詳細に解説していく。それではパッケージから本体を取り出し、実機を細かく確認してみよう。