エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1050
2021.09.08 更新
文:撮影・こまめ
ここからは「Modern 15 A5」のベンチマーク結果を交えながら、実際のパフォーマンスについて解説する。評価機のスペックは、APUがAMD Ryzen 7 5700Uでメモリ容量は16GB、ストレージは512GB NVMe M.2 SSD、グラフィックスはAPU内蔵のRadeon Graphicsだ。
なおベンチマークテストの実施あたりWindows 10の電源プランを「バランス」に設定し、電源モードを「最も高いパフォーマンス」に設定。さらに「MSI Center Pro」の「Performance Optimizer」で動作モードを「ハイパフォーマンス」に変更した上で、空冷ファンを最大出力で動作させる「クーラーブースト」を有効にしている。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングなどで大きく変わることがあるため、あくまで参考値として考えていただきたい。また文中で触れている他パーツとの比較値は、筆者調べによるものだ。
まずはCPU性能を計測する「CINEBENCH R15」および「CINEBENCH R20」の結果から。
「Modern 15 A5」では、8コア/16スレッドのAMD Ryzen 7 5700Uまたは6コア/12スレッドAMD Ryzen 5 5500Uが使われている。アーキテクチャは前世代と同じZen2ではあるものの、スレッド数が倍増したことによりパフォーマンスは大きく向上した。またこれまで弱点とされてきたシングルコアの性能も向上している。
評価機のベンチマークスコアは、AMD Ryzen 7 5700U搭載機としては標準的だ。性能が大きく下がるわけでもなく、十分なパフォーマンスが引き出されている。さすがにZen3のRyzen 7 5800Uには水をあけられているものの、それでもトップクラスの性能だと言っていい。ビジネスや学習用には十分すぎるほどだ。
ストレージとしては、512GBのNVMe M.2 SSDが使われている。評価機でアクセス速度を計測したところ、シーケンシャルリードで1,985MB/secとまずまずの結果だった。最高レベルのアクセス速度ではないが、ビジネス用途や普段使いには十分だろう。
しかしデータサイズを64GiB、テスト回数を「9回」に変えて計測を3回連続で行なってSSDに高い負荷をかけたところ、シーケンシャルリードで速度の低下が見られた。サーマルスロットリングの影響だと思われるが、よほど大きなデータを長時間連続でアクセスしない限りは体感的に速度の低下を感じることはないはずだ。
「CrystalDiskMark 8.0.4 x64」による512GB NVMe M.2 SSDのアクセス速度計測結果。左が通常時で、右が高負荷時 |