エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1053
2021.09.15 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
Antec「NE850G M」 市場想定売価税込17,480円(2021年6月5日発売) 製品情報(Antec)(株式会社リンクスインターナショナル) |
このほどAntecより、80PLUS GOLD認証を取得した新しいメインストリーム向けの電源ユニット「NE GOLD M」シリーズが発売された。いつからか国内向けのネーミングルールが変わったせいでピンとこなかったが、グローバル向けのシリーズ名は「NeoECO Gold Modular」という。そう、市場において(現在進行形で)最大級の売れ筋エントリー電源ユニットとして君臨している「NeoECO GOLD」の後継シリーズが、この「NE GOLD M」なのだ。
手頃な価格とAntecブランドへの信頼感から、トップクラスの売れ筋に成長した「NeoECO GOLD」。その後継シリーズ「NE GOLD M」が登場、6月から販売が始まっている |
新シリーズの分かりやすい進化ポイントとして挙げられるのが、ケーブル仕様の変更だろう。従来の「NeoECO GOLD」シリーズがセミモジュラー仕様だったところ、新しい「NE GOLD M」シリーズはフルモジュラー仕様にモデルチェンジ。エントリー向け製品にもフルモジュラー化の波が到来して久しい、現行のトレンドを反映した変更と言える。
また、容量バリエーションも大容量化のトレンドを取り込み、650W/750W/850Wの3モデル展開(「NeoECO GOLD」は550W/650W/750W)に。ちなみにAntecがハイエンド製品以外で850Wモデルをラインナップに加えるのは、実に約10年ぶりという。さらに850Wモデルには、近年にわかに注目されるようになった、ホワイトカラーのバリエーションも用意された。
新シリーズはフルモジュラー仕様に進化。容量バリエーションも大容量寄りにシフトすることになった | 850Wは2モデル展開で、貴重なホワイトカラーの「NE850G M White」をラインナップする |
そして信頼性の指標となるコンデンサは、一次側・二次側ともに日本メーカー製の105℃コンデンサを100%採用。さらにサーバーグレードのハーフブリッジLLC回路とDC-DC変換回路を搭載し、高耐久と優れた変換効率、低ノイズ動作を可能にしている。
また、+12V系は最大70A(850Wモデル)の高出力に対応するシングルレーン設計。オーバークロックやマルチGPUといった、ハイエンド志向の出力要求にも問題なく応えられる。
よりエコなイメージが強調された新デザインのパッケージ。80PLUS認証のロゴや基本仕様、設計上の特徴などがシンプルに記載されている |
そして奥行きを140mmに抑えた筐体には、冷却機構として120mm径の静音ファンを搭載。サーマルマネージャー機能により、システム温度に応じてファン回転数を自動で制御する。また、低出力時にファン回転を停止させるセミファンレス動作の「Zero RPM」機能に対応。この機能は、背面に備える「Hybridモードスイッチ」でON/OFFを切り替えることが可能だ。セミファンレスによる静音か常時回転による安心か、ユーザーの好みで選べる点は嬉しい。
そのほか、過電流保護(OCP)、加熱保護(OTP)、過電圧保護(OVP)、低電圧保護(UVP)、 無負荷定格速度運転(NLO)、短絡保護(SCP)、過電力保護(OPP)、突入電流保護(SIP)の各種保護回路を搭載。メーカー保証は7年間だ。
「NE GOLD M」シリーズが発売された今年は、Antec創立35周年のメモリアルイヤー。11月5日に節目のアニバーサリーを迎える |
なお今回は、国内正規代理店の株式会社リンクスインターナショナルより、850Wモデルの「NE850G M」を借り受け検証を行っていく。