エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1053
2021.09.15 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「NE850G M」を内外からチェックしたところで、ここからは実際にシステムを構築し、電源ユニットとしての信頼性を検証していこう。検証環境のCPUには、12コア/24スレッドの「Ryzen 9 5900X」(3.70GHz/最大4.80GHz/キャッシュ6+64MB/TDP105W)、グラフィックスカードはRadeon RX 6900 XTを搭載したオーバークロックモデルMSI「Radeon RX 6900 XT GAMING X TRIO 16G」を組み合わせている。各種ストレステストやベンチマークテストを使用し、ハイエンド環境における現実的な負荷を再現。その際の挙動を確かめていこう。
高負荷時には最大4.8GHz前後で動作する、12コア/24スレッドのハイエンドCPU Ryzen 9 5900Xを搭載。TDPは105Wだ |
グラフィックスカードはMSI「Radeon RX 6900 XT GAMING X TRIO 16G」を組み込んだ。3連ファンを備えた「TRI FROZR 2」クーラーを搭載したOCモデルで、TDPは300Wとされる |
メーカー公称の最大クロックは2,340MHzのところ、優れた冷却性能により最大2,550MHzまでブーストアップしていた |
早速「NE850G M」のテストを進めていこう。検証に際しては、電圧変動を視覚的に把握できるモニタリングソフトの「AIDA64 Extreme Edition」を使用している。そこで各種ストレステストのトップバッターとして、ソフトに搭載されている「System Stability Test」を実行。すべてのチェックボックスを埋めて最大限の負荷がかかるよう設定、30分間連続で動作させた際の挙動を見ていこう。
なお、テスト中の消費電力は最大629W。電源ユニットは負荷率50%の際に最大の効率を発揮する仕様だが、今回は74%程度の強い負荷がかかっていた。
CPUやグラフィックスカードなど、主要パーツの動作に用いられる12Vの挙動を中心にテストをチェックしていく。まずは12Vにフォーカスしたグラフ波形(11~13V範囲)を見ていこう。波形はフラットそのもので変動自体が極めて少なく、フルロード中は概ね12.038Vに張り付きで動作していた。(それ単体の数値にあまり意味はないが)平均値がほぼ同じ数値であることからも、テストを通じて12.038Vから動きがなかったことが窺える。
また、12V全体の変動幅も1%未満とごくわずか。PC向けの電源ユニットは規格上5%程度の電圧変動が許容されていることを考慮すれば、かなり高い水準で安定した動作を維持できていることが分かる。