エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1054
2021.09.17 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ASRock「X570S PG Riptide」 価格未定(2021年10月中旬発売予定) 製品情報(ASRock) |
ハイエンド向けの「PG Velocita」シリーズと、ローエンド向けの「Phantom Gaming 4」シリーズに2極化していたASRockのゲーミングマザーボードに、待望のメインストリーム向け「PG Riptide」シリーズが追加された。その製品コンセプトは、シリーズ名にもなっている「Riptide」。潮の流れがぶつかり合う“潮衝”や“渦”を表しており、ひいてはゲーミングPCに求められる“速さ”と“力強さ”を象徴しているという。
「PG Velocita」と「Phantom Gaming 4」のギャップを埋めるべく登場した「PG Riptide」シリーズ |
製品コンセプトに合わせて、デザインも「水流」や「波」「滝」など水をイメージしている |
その第1弾としてリリースされるのは、今回の主役であるAMD X570チップセットの「X570S PG Riptide」と、AMD B550チップセットの「B550 PG Riptide」の2モデル。いずれも「50A DrMOS」や、「プレミアム60Aパワーチョーク」など、厳選したパーツで構成される高効率な10フェーズの電源回路を搭載する。
ASRock「X570S PG Riptide」 | ASRock「B550 PG Riptide」 |
さらにラグのない通信ができる「Killer E3100 2.5ギガビットLAN」や高レポートレートに対応する「Lightningゲーミングポート」、ゲームオーディオの品質を高める「Nahimic」、ASRock Intel Z500シリーズから追加された専用グラフィックカードホルダー「ASRockグラフィックスカードホルダー」など、ゲーマー向け機能を実装。コストを抑えつつ、低レイテンシかつハイパフォーマンスなゲーミングPCを構築することができる。
メインストリーム向けでは唯一、チップセットのレーンもPCI-Express4.0に対応するAMD X570。その分、消費電力や発熱が増加してしまい、大型ヒートシンクを搭載する一部のウルトラハイエンドモデルを除き、冷却機構にはファン付きヒートシンクを採用している。
そのチップセットファンだが、設置スペースが制限されていることもあり、小口径で回転数も高めなものがほとんど。一般的なケースファンや、CPUクーラーよりも耳障りに感じることから、敢えてAMD X570チップセットのマザーボードを敬遠していた人もいることだろう。
電源回路、チップセット、いずれのヒートシンクともファンレス仕様。静音性を重視したPCを構築できるようになった |
しかし「X570S PG Riptide」では、マイクロコードの更新やBIOSの微調整によってAMD X570搭載するにも関わらず、チップセットファンを省略することに成功。計6本の拡張スロットや2基のM.2スロットはいずれもPCI-Express4.0に対応しながら、ファンのノイズに悩まされることはなくなった。
黒をベースに、水をイメージしたブルーがあしらわれたパッケージ。サイズは実測幅380mm、高さ330mm、厚さ85mmで、メインストリーム向けとしてはやや大柄 |
製品にはマニュアル、ドライバCD、バックパネルの他、「ASRockグラフィックスカードホルダー」やM.2用ネジが付属する |
さらにグラフィックスカード用を想定したPCI-Express4.0(x16)スロットには装甲仕様の「PCI-E Steel Slot」を、上段のM.2スロットには放熱性を高めるための「ヒートシンクアーマー」を実装。もちろん「Polychrome Sync」に対応したRGBイルミネーション機能も備え、無線LANを除けば、イマドキのマザーボードに求められる機能はほぼ全て網羅している。