エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1062
2021.10.11 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
すでにインターフェイスの限界に近い転送速度を実現しているPCI-Express4.0(x4)SSD。その一方で、コントローラの発熱も増えており、サーマルスロットリングを解消して安定したパフォーマンスを発揮するためには冷却が重要になる。そこで「X570S AORUS ELITE AX」に実装されているオリジナルヒートシンク「M.2 Thermal Guard」の性能をチェックしていこう。SSDはCPU接続のM.2スロットに装着し、負荷テストは「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiB、テスト回数9回に設定して3回連続で実施。その温度と転送速度の推移を「HWiNFO64 v7.10」を使い計測した。
ヒートシンク装着時の「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 | ヒートシンクなしの「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
ヒートシンクを搭載しない場合、ベンチマークを開始する前のデータ準備の時点で一気の温度が上昇。シーケンシャル読込のはじめの1回はほぼ公称最高値まで上がるものの、それ以降はサーマルスロットリングが発生して一度も4,000MB/secを超えること無くテストが終了する。
しかし「M.2 Thermal Guard」を装着すると温度の上昇が抑えられ、テスト中にサーマルスロットリングと思われる大幅な速度低下が解消。特にシーケンシャル読込では7,000MB/secに迫る高速な転送速度を維持できるようになる
ヒートシンクなし:アイドル時のサーモグラフィ | ヒートシンクなし:高負荷時のサーモグラフィ |
ヒートシンク装着時:アイドル時のサーモグラフィ | ヒートシンク装着時:高負荷時のサーモグラフィ |
続いてサーモグラフィの結果を確認するとヒートシンクを搭載しないと、コントローラの温度はアイドル時で約55℃、高負荷時には90℃を超えてしまう。正直常用はためらわれる温度で、製品寿命にも影響があるだろう。PCI-Express4.0(x4)接続のハイエンドSSDを使う場合は、必ずヒートシンクを組み合わせるようにしたい。