エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1064
2021.10.20 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「CST1250 TGP」の気になる内部構造はどのようなものだろうか。なおフレーム自体はシンプルな構造であり、分解には苦労しなかった |
最大効率94%を発揮する80PLUS TITANIUM認証モデルの「CST1250 TGP」。その内部構造は高品質な部材が省略なく詰め込まれているという印象で、コンデンサは一次側・二次側ともに日本メーカー製の105℃品を搭載。高効率・低発熱なツイン構成のメイントランス、DC-DC変換基板などが実装されている。それでいて発熱する部位には油断なくしっかりとしたヒートシンクが備え付けられており、熱処理にも余裕がありそうだ。
なお、OCP(過電流保護)、OVP(過電圧保護)、UVP(低電圧保護)、OTP(過温度保護)、OPP(過負荷保護)、SCP(短絡保護)、SIP(雷&突入電流保護)の各種保護回路も完備。コンセント位置によっては100V以下になることがある日本の電力環境に最適化された低電圧回路は、「G-GEAR電源」の特徴でもある。
余裕のある筐体にしっかり詰め込まれた「CST1250 TGP」のコンポーネント。単なる価格勝負のオリジナルモデルでないことは一目瞭然だ |
突入電流や高周波ノイズを抑えるインレットフィルターを備えた入力部。さすが大容量の高級モデルとあって、回路構成も複雑だ | 奥の方には、一次側回路の整流ダイオードが確認できる。発熱が大きいため、ヒートシンクに直接貼り付けられている |
力率を改善するためのアクティブPFC回路。コイルは2基構成で、MOSFETは放熱のためヒートシンクに固定されている |
入力コンデンサを用いて脈流を安定した直流に変換する、一次側の平滑回路。400V/105℃対応のニチコン製コンデンサが実装されていた |
スイッチング回路の制御部。大電力のスイッチング素子は発熱が大きいため、ヒートシンクに貼り付けられている | 400V以上の入力を実際に使用する値に近い出力電圧に変換するメイントランス。シングル構成に比べ高効率かつ低発熱な動作が可能な、デュアルトランス仕様になっている |
パルス状の高周波を直線上の直流にする二次側の整流回路から平滑回路にかけて。やはり発熱が大きい部位のため、薄型のヒートシンクと組み合わせている | 二次側平滑回路には、応答速度に優れる固体コンデンサのほか、105℃対応の日本製コンデンサが使用されている |
12Vから5Vと3.3Vを生成するDC-DC変換基板。高効率な動作を可能にしている |
スタンバイ用の5VSB回路とトランス | 各種保護回路とファンコントロール機能が搭載されたドーターボード。Texas Instruments製デジタルコントローラ「UCD3138A」が2基実装されている |
ユニットの最奥に配置されているケーブルマネジメント基板。リップルノイズを低減する固体コンデンサも実装されていた |
冷却ファンは、流体軸受を採用する135mm径のHong Hua製「HA13525H12SF-Z」が組み込まれていた |
トッププレートに4本のネジで固定。コントロール基板には4pinコネクタで接続されていた |