エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1064
2021.10.20 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
より実際のゲームプレイに近い負荷を想定し、続いてMMORPGの人気タイトル「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」の公式ベンチマーク動作させてみる。グラフィックス設定は「最高品質」、解像度は3,840×2,160ドットにセットし、30分間ループでテストを実行した。
テスト中の消費電力は最大550Wで、「AIDA64」や「3DMark」と同じ約44%の負荷。電力変換効率の面では、ほぼ理想的な環境と言っていいだろう。
不規則なグラフィックスの負荷がかかる環境を反映し、グラフ波形には常に微細な変動が続いている。しかしその実態は12.091Vか12.144V出力を行ったり来たりといったパターンの繰り返しで、全体の変動幅も1%未満。負荷のシチュエーションが変わっても極小の変動幅に収めている点は、「CST1250 TGP」の優れた信頼性をよく証明している。
最後はより負荷の大きなゲーム系ベンチマークから、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークテストをチョイス。解像度3,840×2,160ドットのカスタム設定にて、最も負荷が大きくなるよう項目を選択し、30分間ループで実行した。
消費電力は「FFXIV」からやや上昇し、最大562Wに。ただし「AIDA64」や「3DMark」などを含め同水準の負荷環境であり、電力変換効率の面ではかなり有利な状況だ。
まず+12Vのグラフ波形から見ていくと、「FFXIV」と同様に微細な振動が連続していることが見て取れる。しかし最大/最小値がまったく同じことから分かるように、動作パターンも同じ。全体の変動幅も1%未満に収まっており、電圧値も12.091Vと12.144V出力を交互にマークしていた。不規則な負荷がかかってもまったくブレずに動作する「CST1250 TGP」の安定性は、ハイエンドシステムの心臓として極めて頼もしい存在と言える。
明確な性能差が見えにくいということもあり、電源ユニットを選ぶ際はブランドイメージも重要な指標になる。ショップオリジナルの製品はその点ですでにハンデがあり、実際この「CST1250 TGP」を手に取るまでは、やや色眼鏡で見ていたというのが正直なところだ。「G-GEAR」のメニューに表示されるカスタマイズ差額はメジャーブランドの製品と変わらず、その立ち位置と強気な価格設定には多少の疑問もあった。
しかし検証を進めていくにつれ、「CST1250 TGP」はそうした先入観をいい意味で裏切ってくれた。老舗電源メーカーのCWTが手がけた「G-GEAR電源」のクオリティは、その重厚な内部構造が示すように、コストパフォーマンス志向のオリジナルブランド製品とはまったくの別モノ。さすがはメジャーブランドのOEM/ODMを多く手がけるCWTだけあって、驚くほどブレのない安定した動作や静粛そのものの冷却機構は、それらと比較して何らの遜色もなかった。
むしろこうした電源ユニットを選択できるということ自体が、「G-GEAR」BTOパソコンのアドバンテージとも言える。今回検証を行った「CST1250 TGP」はBTOメニューで選択できるのみだが、その完成度はTITANIUM認証の高級電源ユニットとしても指折りのもの。「G-GEAR電源」の“本命”として、単体販売するだけの価値は大いにあるように思った。
協力:株式会社ヤマダデンキ(ツクモ)